もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

都知事選とN党

2020年07月06日 | 野党

 東京都知事選で小池百合子氏が大差で再選された。

 得票率でみると、小池氏60%、宇都宮健児氏14%・山本太郎氏11%・小野泰輔氏10%となっている。国政選挙と同等に注目される都知事選であったが、国会の最大野党である立憲民主党が独自候補を擁立できずに共産党の推薦する宇都宮氏に相乗りする有様では、勝負は告示前についていたと思われる。さらに対立候補の選挙公約を見ても、副知事として行政経験がある小野氏以外は実現困難な項目の羅列であり、消費減税などは国の税制改革を待つ必要があることから自治体首長選挙の公約とは成り得ないものであったと思う。豊洲市場移転や五輪問題で見せたい”決められない””パフォーマンス過多”の小池都政に飽き足らない人も、消去法で已む無く小池氏に投票した人も多かったのではと同情するものである。今回の選挙で正当に評価(得票率0.7%)されたのは落選したN党党首の立花孝志氏であろうと思われる。N党(NHKから国民を守る党)の主張の多くは他野党のパクリであり、唯一の目玉である「NHKをぶっ壊す」にしても、公共放送の必要性や再編に触れるものでは無く、単なる元の職場に対しての意趣返しにしか見えない。確かにNHKについては受信料の不公平感やTBS・テレ朝にも匹敵する偏向報道等に是正すべき問題点が指摘されているが、それを以て「国民が権利を行使する上で必要な基本情報を提供する公共放送」の必要性まで否定するのは行き過ぎではないだろうか。スポンサーの意向と視聴率が絶対の民放では、国会中継など一顧だにされないだろうし、大規模災害等におけるNHKのネットワークは無視できないインフラであると思う。NHKの金満体質や報道姿勢を批判・監視することは必要であるが、「ぶっ壊す」では何も変わらないと思うが、立花氏が一時的にせよ国会で議席を得たことを不思議に思うものである。しかしながら得票数44000票、投票率31%から推計するとN党の支持者は都内有権者の15万人にも達することとなり、NHKに対する不満は大きいと観るべきでNHKには公共放送として猛省を促すべき数字でもあるように思える。

 中国コロナ第2波襲来の懸念、東京五輪の行方、積立金を食いつぶした財政、小池都政の2期目に明るい材料は見当たらないし、中国コロナで批判された東京への一極集中是正は加速するだろう。対立候補に恵まれたことに依る再選としても、日本=東京のブランド維持と中国コロナの後遺症を打破する新小池都政を期待するものである。山本太郎氏落選の必然性にも触れる心算で書きだしたが、文字数・気力限界につき、終演。