昨日自民党の杉村議員を前振りに使ったのですが、考えてみると、ああいう人が出てくるのも仕方ないのかな、という話です。
※「まつりごと」のカテゴリを新設して選挙関係の記事をまとめましたのでご興味のある方はごらんください。
そもそも「小選挙区・比例代表並立制」をとって重複立候補を認めているという現行制度では
① 小選挙区では小さな得票差が大きな議席数の差になる。
② 小選挙区でA党が得票率で全般的に優勢な場合、小選挙区でA党が大量当選する。
③ 一方、比例区では得票率にほぼ準じた議席が割り当てられる。
④ しかし③からA党の比例名簿から重複立候補者が大量に外れるので、名簿の相当下位
の候補者まで当選する事になる。
という事が起きます。なので今回は名簿の最下位の杉村氏が当選したわけです。
逆にいうと、小選挙区落選者は比例区名簿に残るので、A党が圧勝しないかぎり、重複立候補者より名簿順位の下位の比例区のみの候補者は当選の見込みがないわけです。
さらに、次回以降の選挙でも名簿順位が上がらない限り同じリスクを負う事になります。
このような立場を受け入れる候補者を集めるのはなかなか困難だと思います。
地方議員であれば、立候補時点で辞職しないといけないので勝ち目の少ない戦いのためにあえて今の地位を捨てる事はないと思います。
普通は市議→県議とステップアップして小選挙区での当選を目指すのが順当でしょう。
党職員というのも考えられますが、やはり党にも序列があるのでしょうから、いきなり職員が国会議員になって、今まで仕えていた県議などの上に立つのも難しいと思います(次の選挙で落選したときに困るでしょう)。
となると、
① 立候補と同時に辞職しなくてすむ民間での定職を持っている
② 次の選挙で落ちたとしても別の就業のチャンスがある(専門資格があるとか若いとか)
③ 働かなくても食うに困らない
④ 1年生議員であっても次の選挙までに名簿上位または小選挙区候補に公認されるような大活躍をできる自信がある
⑤ まあ話の種に深く考えずに立候補してみる
のうちのいくつかを満たした人に限られるのではないでしょうか。
杉村氏は①+②+⑤に該当するように思います。
でも、④以外はあまり政治家としての資質や志とは関係ない要素が大きいですね。
なので、仕組み上は杉村氏的な議員の誕生も仕方ないのかもしれません。
杉村氏は自らを「小泉チルドレン」と言っているようですが「選挙制度チルドレン」といった方が正確だと思います。
こういう事態を回避するひとつの方法が重複立候補の禁止ですが、そうすると実質的に小政党の小選挙区での立候補を制限する方向に働いたりするので、弊害も多いのかもしれません。
とりあえず杉村氏は制度のあだ花として、どこまで咲くか(とても大輪の花は咲かせそうにないですが)見守るしかないということでしょうか。
※「まつりごと」のカテゴリを新設して選挙関係の記事をまとめましたのでご興味のある方はごらんください。
そもそも「小選挙区・比例代表並立制」をとって重複立候補を認めているという現行制度では
① 小選挙区では小さな得票差が大きな議席数の差になる。
② 小選挙区でA党が得票率で全般的に優勢な場合、小選挙区でA党が大量当選する。
③ 一方、比例区では得票率にほぼ準じた議席が割り当てられる。
④ しかし③からA党の比例名簿から重複立候補者が大量に外れるので、名簿の相当下位
の候補者まで当選する事になる。
という事が起きます。なので今回は名簿の最下位の杉村氏が当選したわけです。
逆にいうと、小選挙区落選者は比例区名簿に残るので、A党が圧勝しないかぎり、重複立候補者より名簿順位の下位の比例区のみの候補者は当選の見込みがないわけです。
さらに、次回以降の選挙でも名簿順位が上がらない限り同じリスクを負う事になります。
このような立場を受け入れる候補者を集めるのはなかなか困難だと思います。
地方議員であれば、立候補時点で辞職しないといけないので勝ち目の少ない戦いのためにあえて今の地位を捨てる事はないと思います。
普通は市議→県議とステップアップして小選挙区での当選を目指すのが順当でしょう。
党職員というのも考えられますが、やはり党にも序列があるのでしょうから、いきなり職員が国会議員になって、今まで仕えていた県議などの上に立つのも難しいと思います(次の選挙で落選したときに困るでしょう)。
となると、
① 立候補と同時に辞職しなくてすむ民間での定職を持っている
② 次の選挙で落ちたとしても別の就業のチャンスがある(専門資格があるとか若いとか)
③ 働かなくても食うに困らない
④ 1年生議員であっても次の選挙までに名簿上位または小選挙区候補に公認されるような大活躍をできる自信がある
⑤ まあ話の種に深く考えずに立候補してみる
のうちのいくつかを満たした人に限られるのではないでしょうか。
杉村氏は①+②+⑤に該当するように思います。
でも、④以外はあまり政治家としての資質や志とは関係ない要素が大きいですね。
なので、仕組み上は杉村氏的な議員の誕生も仕方ないのかもしれません。
杉村氏は自らを「小泉チルドレン」と言っているようですが「選挙制度チルドレン」といった方が正確だと思います。
こういう事態を回避するひとつの方法が重複立候補の禁止ですが、そうすると実質的に小政党の小選挙区での立候補を制限する方向に働いたりするので、弊害も多いのかもしれません。
とりあえず杉村氏は制度のあだ花として、どこまで咲くか(とても大輪の花は咲かせそうにないですが)見守るしかないということでしょうか。