帯の「ぼくが現地実習に降り立った先は、大空襲下のロンドンだった・・・」に惹かれて、欧州出張の機内用に。
作者のファンの人には申し訳ないが、どうして買ったかもよく覚えていなかったし、作者が英国人でなく米国人だということも知らなかった。
本書は著者の受賞作を集めた短編集だが、失われたもの、いずれは失われるであろうもの、未来において失われてしまったもの(時制の勉強みたいだ)への愛情を、ひねりを利かせたSF作品として仕上げている。
オチや伏線自体は最近の作品のようにどぎつくはないし、カタルシスを得られるというよりは最後に考えさせられるようなものなので、スカッとする感じは少ないが、しばしば饒舌になる語り口の中に作者のこだわりや愛情が見え隠れするのも魅力の一つになっている。
特に表題作の舞台になったセントポール大聖堂は、ちょうど訪問先が近くにあったということもあり、今回の旅の供としては正しい選択であったが、SF作家として他の作品を読もうと思うかはちょっと保留という感じ。
これは自分自身がSFから遠ざかっていることが主な原因なんだが、それを引き戻すまでの魅力は残念ながらなかったかな。


作者のファンの人には申し訳ないが、どうして買ったかもよく覚えていなかったし、作者が英国人でなく米国人だということも知らなかった。
本書は著者の受賞作を集めた短編集だが、失われたもの、いずれは失われるであろうもの、未来において失われてしまったもの(時制の勉強みたいだ)への愛情を、ひねりを利かせたSF作品として仕上げている。
オチや伏線自体は最近の作品のようにどぎつくはないし、カタルシスを得られるというよりは最後に考えさせられるようなものなので、スカッとする感じは少ないが、しばしば饒舌になる語り口の中に作者のこだわりや愛情が見え隠れするのも魅力の一つになっている。
特に表題作の舞台になったセントポール大聖堂は、ちょうど訪問先が近くにあったということもあり、今回の旅の供としては正しい選択であったが、SF作家として他の作品を読もうと思うかはちょっと保留という感じ。
これは自分自身がSFから遠ざかっていることが主な原因なんだが、それを引き戻すまでの魅力は残念ながらなかったかな。