一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則』

2016-03-16 | 乱読日記

自分が説明しても要領を得ないのでamazonの内容紹介から引用

日立製作所中央研究所で2006年に開発されたウエアラブルセンサ「ビジネス顕微鏡」による人間行動の研究が、 いま、人間・組織・社会の理解を根本から変えようとしている。
著者自身を含め、これまでのべ100万人日以上の行動を計測、その身体活動、位置情報、 センサを付けている人どうしの面会などを記録した「ヒューマンビッグデータ」が、 人間や社会に普遍的に見られる「法則」や「方程式」を次々と明らかにしているのである。
そのデータから明らかになる「法則」とはいかなるものか。 法則の理解は、私たちの生活や社会をどのように変えるのか。
世界を変えつつある新たなサイエンスの登場を、世界の第一人者が自ら綴る!

人間の身体活動をデータにとってみると、意外な法則性が見出される。
そして人間同士の関係、たとえば職場での情報伝達や売り場の店員の動きとの関係などが明らかになる。

興味深かったのが、「幸せ」の計測。

行動を起こした結果、成功したかが重要なのではない。行動を起こすこと自体が、人の幸せなのである。

人との共感や行動の積極性は人の「幸せ」を決めるものである。共感できたり、積極的だったりすると、その先に幸せが得られやすい、というのではない。共感できたり積極的に行動できたりすること自体が、人のハピネスの正体なのだ。

これは、成功(勝利・目標達成・自己実現etc.)しないと幸せになれないというドグマから自由になれるという意味で重要な指摘だと思う。

ビッグデータの解析は、ある状況と結果の因果を示すことはできるが、その機序ははっきりしないことが多いらしい。逆に、機序から類推する仮説検証型分析にはビッグデータ解析は向かないらしい。


ますますなんだかわからない方向に世の中が進んで行っているようだが、もともと未来や他人(や自分自身だって)よくわからないものなわけで、「ありのまま」を受け容れよう(結論に盲従するのではなく)、という姿勢は、かえって自分を楽にするかもしれない。

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