一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『レオニー』

2010-12-02 | キネマ
せこばいさんにコメント欄で教えてもらった『レオニー』を週末観てきました。

彫刻家イサムノグチの母親、レオニー・ギルモアの波乱に富む生涯を描いた映画です。
このブログを始めたあたりからイサム・ノグチに凝りだしていて、機会があれば美術館などを訪れています(たとえばこちら)。

母親のレオニーについてもドウス昌代『イサム・ノグチ―宿命の越境者』で詳しく取り上げられているので、時代背景を考えるとイサムノグチ以上にタフな人生を送った女性として印象に残っていました。

その波乱万丈ぶりは、まったく予備知識なしで映画見ると「作りすぎの話」に思えてしまいそうなので、興味がある方は公式サイトなどをご覧いただくといいかと思います。

俳優陣では、夫の野口米次郎を中村獅童が好演。明治時代の日本人の男でしかもアメリカで一旗上げるようなエゴの強い身勝手な野心家という役が良くも悪くもはまり役です。
レオニー役のエミリー・モーティマーも、レオニーの意志の強さや頑固さ(それも年をとって逆境を経るたびに強くなる)を好演しています。

 
ただ、残念なのが、2時間12分という長尺にかかわらず詰め込みすぎの感があること。
本人が波乱万丈の人生を送ったうえに、イサムノグチの子供時代に関するエピソード、それに当時の時代背景を盛り込んだ結果、筋をたどる方に力が入り、ストーリーにメリハリが欠けてしまったように思います。

あと細かいことを言うと、原田美枝子演じる津田梅子は岩倉使節団に随行して7歳のときに渡米し、米国人の家庭で育ったため英語が母国語同然になってしまって日本語のほうが不自由だったはずなので、ここは日本人顔で英語ネイティブな役者を持ってきたほうが良かったんじゃないでしょうか。



そうはいっても、明治時代にこういう人生を送っていた人々がいたということ自体インパクトのある映画なので、観て損はないと思います。


欲を言えば何回かのシリーズ物のテレビドラマになれば、個々のエピソードももっと深堀りが出来たんじゃないかなと思うので、映画がヒットしてドラマ化のスポンサーが付くことに期待したいと思います。

 






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