一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

エビの尻尾切り?

2010-12-05 | よしなしごと
週末のテレビは市川海老蔵の事件でもちきりですが、実際には何が起こったのかということと本人の酒癖の悪さに関する証言のオンパレードになってます。

逆に言えば、TV局も個人のトラブルという線でまとめようとしているようです(「市川団十郎は気の毒」とか)。

ネットで見ると海老蔵本人も「俺は人間国宝になる男で国から2億円もらえる」というのが口癖だったとか(実際は人間国宝になっても年間200万円の助成金程度らしいですけど)。
そこから、歌舞伎は興行がほぼ松竹だけがやっていて、歌舞伎役者のほとんどは専属契約をしていたり、端役や裏方は松竹の社員なことや、襲名にあたっても世襲(または一族が引き継ぐ)のがほとんどのようですが、それでも国の重要無形文化財に指定されていて、人間国宝も多数出ているというブラックボックス感や利権の匂いに踏み込んでもよさそうですが、マスコミは「梨園」で片付けているのが多いですね。

このへん一連の相撲界の問題でも「国技でありながら」などといきり立った割には、部屋制度や親方株問題とかタニマチや相撲茶屋などには踏み込まずに、一部個人の不正・非行問題としてなんとなく収まった感じと似ています。

結局マスコミとしても、興行の世界とは共存共栄なので、現状のしくみを根底からひっくり返すような問題提起はできないのでしょう。

国技・重要無形文化財と興行の独占・世襲問題は単に「悪」というだけではなく、たとえば能、狂言、文楽などの従事する人が極めて少ない伝統芸能をどうするか、世襲でもしなければ後継が育たない(「5歳で初舞台」とか)のではないかという考え方もあります。
一方で、後継者育成への公的補助と世襲・家元制度が合わさると利権になりがちな部分もあります。

突っ込んでしまうとそのへんのややこしいところに対してスタンスを明確にしなければいけないから「個人の不祥事」として眼をつぶっているところもあるのかもしれませんけど、本当はそのへんをもっと議論すべきなんでしょうね。
これは文化助成の見直しとか事業仕分けにもからんでくる話だし。



世襲と言えば政治家もそうで、後援会の利権や政治団体の資金を無税で承継するために、ボンクラでもいいから世襲候補を立てる(たとえばバンソウコウ大臣なんていましたよね)というような力学が働くようで、これについては以前取り上げた上杉隆『世襲議員のからくり』のなかで詳しく説明されています。

ただ、議員の世襲の問題も、「問題だ」以上のつっこみがされてないのが現状ですね。



問題をより深く考えるためには、お世継ぎの皆様のよりいっそうの乱行・愚行が必要なのかもしれません。


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