一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『マイ・ブラザー』

2010-07-13 | キネマ
『月に囚われた男』を見たときに予告編が気になっていた映画。

池袋西口のシネマ・ロサで上映中。

池袋で「ロサ」といえば元地元民としては懐かしい名前で、映画館よりは居酒屋雑居ビル「ロサ会館」の方が有名でした(僕が学生の頃は『金太の大冒険』のパフォーマンスで有名だった「青春の館」という居酒屋がありました。)。
池袋西口というのは戦後「青線」地区だったところで、30年前はまだまだディープで、ロサ会館の区画より北側は覚悟がないと立ち入らないほうがいい場所。ロサ会館の近くも夜になると「おネエ」の客引きがいたりして。

シネマ・ロサは今では単館系を上映していますが、当時はポルノ映画専門館でした(こちら参照)。確か一階が和物、地下が洋物。当時はまだエロ動画はおろかアダルトビデオもなく、エロ系コンテンツとしてはエロ本かポルノ映画という時代だったし、当時は映画も安かったので、たまにお世話になりました。

 また、卒業旅行のときにドイツで見た映画を上映していて、偶然それを見た友人が途中で同じ映画だと気がつき(アメリカ映画だったがドイツ語のタイトルがついていたので入るときは分からなかった)、「この館内でモザイクの中を見たことのある奴は俺しかいるまい」と優越感にひたったと(映画の中身とは別の)興奮して電話をかけてきたのもここでした。
(こういうタイトルはいつまでも記憶に残っているので検索したところヒットしたのですが、タイトル・内容は割愛。ちなみに『ディープ・スロート』の監督の別名での作品らしいです。)


 映画館は椅子は今風にドリンクホルダーなどもついて座り心地のいいものになっていますが、造り自体は昔と同じで、ちょっと懐かしい気持ちで階段を下ります。

さて本題。
優秀な軍人で高校時代からスターQBだった兄(トビー・マグワイア)と、昔からオチこぼれで刑務所を出たり入ったりしている弟(ジェイク・ギレンホール)、そして兄弟の高校の美人チアリーダーである兄の妻(ナタリー・ポートマン)の三人とその家族を中心に、罪と贖罪、家族の絆を描いた映画です。(詳しくは公式サイト参照)
大きな設定以上に細かいエピソードや台詞回しが巧みで、特に子供の存在が効いているなかなか優れた脚本です。

ところでテロップにリメイクだとあったので、オリジナルのデンマーク映画『ある愛の風景』(2005年サンダンス映画祭で観客賞受賞)の予告編を見たら、エピソードも含めてかなり忠実なリメイクになっていることがわかりました。それだけ完成度の高い脚本だったのでしょう。
最後まで安易な解決をしないあたりは確かにアメリカ映画っぽくないとは思いました。

ただ『マイ・ブラザー』の方もうまくアメリカの田舎町の雰囲気に合わせたストーリーになってますし、トビー・マグワイアとジェイク・ギレンホール、それ以上に子役2人が好演しているので、リメイクとしてもいい作品だと思います。

PS
ネタバレになるので詳しくは書きませんが、兄がアフガニスタンで置かれたような状況で、軍のマニュアル・ルールどのように対処することになっているのでしょうか。


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