一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

「正露丸」を「ググる」

2008-07-04 | あきなひ

大幸薬品の敗訴確定 正露丸を混同せず
(2008年7月4日(金)20:00 共同通信)

ラッパのマークのCMで知られる胃腸薬・正露丸を製造、販売する大幸薬品が似た包装で同じ名称の薬を販売するのは不正競争防止法違反に当たるとして和泉薬品工業に販売差し止めと損害賠償などを求めた訴訟の上告審で最高裁第2小法廷(津野修裁判長)は4日、大幸薬品の上告を受理しない決定をした。「両社の商品を混同する恐れはなく、正露丸は一般名称」とした1、2審判決が確定した。  

和泉薬品工業のHPを見ると、「正露丸」をめぐる訴訟の歴史がわかります(参照)。  

戦後昭和29年に大幸薬品による「正露丸」の商標登録が認められたのに対し和泉薬品ら30社は商標登録取消を求め、これが最高裁まで争われた結果昭和49年に最高裁第3小法廷は「正露丸は一般的な名称として国民に認識されており、これを固有の商標とした特許庁の審決を取り消す」と東京高裁の判断を支持し、この判決に伴い特許庁は登録無効を審決しました。

そして今回の訴訟は平成17年に大幸薬品が、大幸薬品製造販売する正露丸の包装箱と和泉薬品工業が製造販売する正露丸の包装箱の色やデザインが、酷似しているのは違法だとして製品の販売差し止めと損害賠償を求めたものです。
一審・二審とも大幸薬品が敗訴し、上告したもののこれで確定した、ということのようです。

和泉薬品工業のHPの一審判決の要旨では

現在、原告、被告の正露丸以外にも少なくとも10数社の正露丸が製造販売されており、それらの包装箱の色・デザインは昭和30年頃から一部の例外を除き概ね共通して使用されており、原告が独占的に使用してきた事実はない。それぞれの製品は「ひょうたんマーク」「ラッパのマーク」等のトレードマークで区別されるもので、両社の製品が類似しない事は明らかである。 として原告の主張をいずれも棄却する。

とあります。

僕自身「正露丸」を買いに行くときに、メーカーはあまり選ばず、安いのを買ったりするので、元祖を標榜する大幸薬品としては「指名買い」の機会を逃すということで歯がゆいものがあったのでしょう。

ただ、確かにそれはパッケージで誤認するというよりは「正露丸」が「トローチ」のように一般名詞化していることに原因があるようにも思います。

それにしても執念を感じさせますね。

"google"もウェブスターの英語辞典に動詞として掲載され、google社が商標権との兼ね合いで神経質になっているという話もありましたが、古くて新しい問題ではあります。



そういえば昔スクラブルゲームで"XEROX"を固有名詞でなく動詞だ、と言い張った奴がいたのを思い出しました(笑)



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2 コメント

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執念といえば・・・ (toshi)
2008-07-04 23:05:09
こんばんは。

「正露丸」にまつわる法務の長い歴史があったのですね。これは初めて知りました。まさに大幸薬品の執念を感じさせますね。
ところで、執念といえば、今年、大幸薬品さんはなんと「社内弁護士」を誕生させました。実は私も知っている若い大阪の弁護士さんで、一昨日もお会いしていたところでした。(とてもハツラツとしていて感じのいい方ですよ)わずか200名足らずの従業員数の会社で、「なんで社内弁護士なんやろ?」とも思いましたが、ひょっとするとこういった屈辱感からかもしれませんね(笑)社員の人たちとも仲良くやって、一生懸命がんばっておられるようです。(ちなみに彼のドメインは「seirogan.jp」です)
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社内弁護士 (go2c)
2008-07-05 03:35:49
toshiさん、お久しぶりです。
なるほど、そうなんですか。
従業員が少人数で消費者向け商品を扱っている会社は、社内弁護士を置いたほうが効率的なのかもしれませんね。

それとも訴訟に負けてばかりなので最初に筋を見極めるために内部に弁護士を置くようにしたとか(笑)
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