資産隠しは破綻時から報道されていたものですが。
SFCGの元会長ら、民事再生法違反容疑で逮捕
(2010年6月16日14時32分 読売新聞)
破産手続き中の商工ローン大手「SFCG」(東京都中央区)による資産流出事件で、警視庁は16日、同社元会長の大島健伸容疑者(62)ら4人を民事再生法違反(詐欺再生)や会社法の特別背任などの容疑で逮捕した。
発表によると、大島容疑者らは、民事再生手続き前の2008年12月、大島容疑者が実質的に支配する大阪府箕面市の信用調査会社に、SFCGが所有していた簿価計約418億円分の不動産担保ローン債権を事実上、無償で譲渡し、資産を不正に流出させたほか、こうした取引でSFCGに同額の損害を与えた疑い。
また、東京地裁に民事再生法適用を申請する直前の09年2月、不動産担保ローン債権を同じ信用調査会社に譲渡した際、日付をさかのぼって登記した電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いも持たれている。
一方でSESCへの検査忌避で捜査がはいった日本振興銀行
SFCG、振興銀ともたれ合い 違法な金利で債券取引
(2010年6月16日18時31分 朝日新聞)
経営破綻(はたん)直前の資産隠しの疑いで元社長・大島健伸容疑者(62)らが16日に逮捕された商工ローン大手「SFCG」(旧商工ファンド)。金融庁の検査を妨害した容疑で11日に警視庁の強制捜査を受けた日本振興銀行がSFCGの債権を買い取り、SFCG側も当座の資金を手に入れるという、両者のもたれ合い構図があったことが分かった。同庁は、交錯する二つの金融事件の解明を進めている。
その後の同年5月下旬、振興銀は金融庁から検査通知を受けた。振興銀の当時の融資企画担当の執行役らは、SFCGとの債権取引などに関する電子メールを削除し、銀行法違反(検査忌避)の疑いが持たれている。
「もたれあい」とありますが、SFCGはこの債権を二重譲渡していたわけで、このへんの構図がいまひとつよくわかりません。
単にもたれあってたらつっかい棒をはずされたのか(これは間抜け)、それとも日本新興銀行は二重譲渡は承知のうえでとりあえず出資法違反の手数料で利益を捻出することを優先したのか(これは悪質)どっちなんでしょうか。
日本振興銀行に対しては「本丸」を目指して東京地検も捜査を進めていたという噂もあり、今回のSESC→警察庁の検査忌避容疑の捜査がどこまでをターゲットにしているのか(単に告発があったから喜んで入っただけなのか)も注目されます。
功名争いとか組織の壁を乗り越えてどこまでできるんでしょうか。
犯罪になった場合もオーナー企業の一枚岩の方が強い、というのではしゃれにならんですし。