一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

尖閣ビデオ流出問題

2010-11-11 | よしなしごと

今回の尖閣問題ビデオの流出に関して思い出した旧ソ連時代のジョーク。  

モスクワの赤の広場で「フルシチョフの馬鹿野郎」と叫んだ男が懲役15年の刑に処せられた。 
15年の内訳は、国家元首侮辱罪5年、国家機密漏洩財10年。  

たとえば 民主に国交相擁護論=海保長官には責任-ビデオ流出 (2010/11/10 21:03 時事通信)では  

羽田雄一郎参院国対委員長は記者会見で、国交相の責任論について「コメントは差し控えたい」と言及を避けたが、民主党幹部は「組織的犯罪ならともかく、一職員の不祥事だから、責任論が出てくるのはおかしい」と語った。ある若手議員は「辞める必要はない。悪い前例になる」と指摘した。 
ただ、公開が厳しく制限されていた映像が政府内から流出した事実は重い。政権への影響について、同党幹部は「映像を入手した経路と動機による」として、捜査の展開次第では政権への打撃となる可能性を否定しなかった。  

とあるが、「一職員の不祥事」とするなら、今回の職員が積極的に国家機密の厳重な管理を破った、という構図がないといけないはずで、この職員にそういう意図や特殊能力があったのでなければ、そもそも所管外の一保安官が入手可能なレベルの情報管理しかされていなかったということの方が問題。
「公開が厳しく制限されていた映像が政府内から流出した」というのは論理が逆。  
機密として明示したり管理されていなければ、情報の機密性を個々の職員が自発的に適正に判断する義務まで負わせるのは無理がある。  

これは「国民の知る権利」以前のレベルの問題だと思う。


このビデオは海上保安庁の職員の研修用にも使われていたというが、たとえば開示前の実際のM&A案件を使って社内研修をする企業がいたら阿呆だし、その結果情報が漏洩した場合に従業員だけのせいにするのはもっと阿呆だ。 
M&A情報を社内メールで流したカブコム証券も「インサイダー情報だ」と明示していたとしても内部管理が甘いと言われている(私もそう思う)。  


事後的にその情報が重要だったからといって刑事罰を科すのでは、それこそ法治国家の名折れではないか。

そのうちに菅総理と面会した人が、会談内容に言及しなくても「総理は○○だ」ということ自体にも気をつけなくてはいけなくなってしまうのだろうか (あ、それはもはや機密ではないか)



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