一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

諸行無常か終の住処か

2010-11-23 | あきなひ

懐かしい名前つながりのニュースが2つ。

ひとつは 
株式会社ゼクスに係る有価証券報告書等の不提出に係る課徴金納付命令勧告について (平成22年11月19日 証券取引等監視委員会)  

もうひとつは  
世田谷区上用賀一丁目所在住宅型有料老人ホームの取得について(平成22年11月16日 東急不動産)  

東急不動産株式会社会社は、東京都世田谷区上用賀一丁目所在の住宅型有料老人ホーム「バーリントンハウス馬事公苑」の土地建物を取得し、名称を当社のシニア住宅ブランドである「グランクレール」を冠した「グランクレール馬事公苑」に変更いたしました。  

この「バーリントンハウス馬事公苑」というのは、2006年にJASDAQから東証一部上場になり元気だったぜクスが2007年に、当時経営危機に陥っていたグッドウィルグループから引きついだものです。 

当初の事業承継のスキームは老人ホーム事業を廃業・清算済みの㈱コムスンから吸収分割により承継し、土地・建物は保有している親会社のグッドウィル・グループ㈱から取得するというものだったのですが、2008年の引渡し前になって建物の構造強度に疑義が生じてしまい、ゼクスが引渡しを拒んだ結果、事業はゼクスが承継したものの資産はグッドウィル(ゼクスは資産を賃借)という宙ぶらりんな状態になってしまいます。  

ところがそのうちにゼクスも本業がうまくいかなくなり、2008年の決算の有価証券報告書でGC注記がつくという状況になってしまいます。(参照) 

そしてゼクスは高級介護施設である「バーリントン」シリーズ以外の介護事業をおこなう孫会社に対して2008年8月にジェイ・ウィル・パートナーズから出資を受け入れますが、一方でバーリントンハウスを巡る争いはグッドウィル改めラディア・ホールディングスとの間で訴訟になってしまいます。(参照)  

最終的にはバーリントンハウス事業については、結局2009年に事業ごとラディア・ホールディングスが買い戻す形で決着しました。(参照:連結子会社の会社分割によるバーリントンハウス事業承継に関するお知らせ)  

そして今回東急不動産が取得することになったようです。  
東急不動産もゲンの悪い物件を買ったなぁと思うのですが、入居者よりも経営主体がくるくる変わってきた介護施設がこれで終の住処になるといいですね。 
ただ筆頭株主の東急電鉄もシニア住宅事業を始めているので(参照)、将来的にグループ内の再編があったりして・・・  


さて、その他の関係者のその後です。  

最初の経営主体のグッドウィルは、その後ラディア・ホールディングスとなり、サーベラスとモルガン・スタンレーの出資を受け、事業再生ADRにより再生中で、社名をアドバンテージ・リソーシング・ジャパンに変更しています。(参照)  

ゼクスは冒頭のSESCによれば  

しかしながら、同社は、資金繰りに余裕がないこと等を理由に、会計監査人の選任並びに上記四半期報告書及び有価証券報告書の作成を未だに行わず、長期に亘って、こうした同社の財政状態を同社の株主等市場関係者に対して何ら開示していない状態を継続しているものである。  

という状態です。 
上場廃止にはこういう手もあるんだなと妙な関心をしてしまった有価証券報告書不提出ですが、相変わらずの開き直り気味のようです。
上場廃止後もしばらくは有価証券報告書の提出義務は残るので、会計事務所も引き受けたがらないのかもしれません。
(ところで株主代表訴訟とか起きていないのでしょうか? )

ジェイ・ウィル・パートナーズはその後も元気なようで、民事再生になったマンションデベロッパーのモリモトのスポンサーになったり(参照)、会社更正になった穴吹工務店のスポンサーになったり(参照)と活躍しています。 
政策投資銀行の資金がバックにあるからなんでしょうが、政投銀大丈夫か?

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