クエなくなるの? 浜岡原発停止で養殖ピンチ
(2011年5月30日18時47分 asahi.com)
原発の恩恵を受けているのは「原発村」の関係者と大企業だけではないという切り口はいいと思うのですが、この見出しは地元の人にとってはシャレになっていないよなぁ。
(思いついたら止められないオヤジギャグ、という気持ちはよくわかるんですけど・・・)
菅政権の要請で中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)が全炉停止し、クエの養殖やマダイなどの放流が危機に追い込まれている。原発からの温排水も止まり、稚魚の孵化(ふか)や育成に欠かせない水温調整が出来なくなっているからだ。県は国に対策や費用の負担を求めたいとしている。
温排水は、原発でタービンを回した蒸気の冷却に使った海水。放射能は帯びておらず、水温が海水より約7度高い。毎年11月中旬から翌6月末ごろまで、原発に隣接する「静岡県温水利用研究センター」が毎日各1万5千トンの温排水と海水をもらい、クエの養殖や、マダイやヒラメなどの親魚の飼育、稚魚の孵化・育成に活用していた。
センターは、原発建設に協力して漁業権の一部を放棄した漁業者への補償としてつくられた。中部電が建設し、県に譲渡。県漁業協同組合連合会が運営している。
センターが漁業者への補償として作られたのであるなら、中部電力は温排水の供給義務を負っているはずなので、国や県に負担を求めるのでなく中部電力に温排水の提供義務を果たすように求めるかそれに代わる損害賠償請求をすればいいのではないでしょうか。
せっかくならそのへんまで突っ込んで取材してほしかったところ。
一方「自主的判断」で原発を止めた中部電力は原発停止に付帯する費用の補償を国に求められないので、中部電力にとっては合計するとけっこうな負担になるかもしれないですね。
切り口自体はいいだけに残念ですよね。