一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

チリも積もれば流れ出す

2011-10-13 | 原発事故・節電・原発問題

(追記あり)

東京でもホットスポットが見つかったという話が話題になってます。

東京・世田谷で高線量 2.7マイクロシーベルト
(2011年10月12日 asahi.com)

今回の数値は、計画的避難区域の福島県飯舘村役場のモニタリングポストで12日に測定された毎時2.115マイクロシーベルトより高い。ただ、毎日8時間を外で、残りを木造家屋で過ごしたと仮定して計算すると、年間被曝(ひばく)量は14.2ミリシーベルトとなり、国が避難を促す目安としている20ミリシーベルトよりは低い。

数値の持つ健康被害に対する意味を科学的に説明せずに、ここで飯館村を引き合いに出すのはなぜなのでしょうか?
「(危険な)飯館村より放射線量が高い(ので危険だ)」という妙な三段論法風を用いるのは如何なものかと思います。(先般辞任した「放射能うつっちゃうぞ」大臣と根っこのところは似たような発想のような・・・)

それはさておき、 国の除染基準、1ミリシーベルトに引き下げ 環境省案(2011年10月10日 asahi.com)によると

除染は事故で過剰に被曝(ひばく)する放射線量(追加被曝線量)が年1ミリシーベルト以上の地域、災害廃棄物の処理は1キロ当たり8千ベクレル超を基準に、国の責任で対処する。

とのことなので、ここの除染費用も国が負担することになるのでしょうか。 
比較的時間に余裕のある都市部で早期に念入りな測定が始まり、そちらに除染の予算と人手が割かれて福島県などの被災地に手が回らないということのないように願いたいものです。

さて、冒頭の記事では 

野口邦和・日本大学専任講師(放射線防護学)は「これぐらいの高い値のまま放射性物質が都内に降ったとは考えにくく、雨水がたまるなどして濃縮されたのではないか。(以下略)

とありました。 

ならば雨水が流れ込む下水道施設は放射線量を測っていないのだろうかと東京と下水道局のサイトを調べるとちゃんと測定していました。

下水道 放射線情報

そこにある「下水処理における放射能等測定結果」をグラフにしてみました。
「脱水汚泥」(下水を処理する際に発生した汚泥から水分を取り除いたもの)を測定したもので、単位はBq/kgです。
測定対象は放射性ヨウ素131、放射性セシウム134、放射性セシウム137の3種類です。

放射性ヨウ素131




放射性セシウム134




放射性セシウム137




これをみると、5月以降順調に減っていたものの、ヨウ素は7月以降場所によって濃度が高いところがでてきていて、8月から9月にかけては5月を上回るところもあることがわかります。
またセシウムはおおむね順調に減っているものの、7月には一度高くなっています。

ちなみに下水道局の測定は脱水汚泥を焼却した汚泥焼却灰についてもおこなわれていて、9月26日時点でも国が災害廃棄物の処理費用を負担する1kgあたり8000ベクレル超のセシウムを検出しているところもあります。


素人考えですが、原発事故時に地上や樹上に堆積した物質が大雨や台風のたびに下水に流れ込んだためこのような測定結果になったのではないかと思います。
その意味ではまだまだ地上に蓄積している量は多いのではないかと推測されます。
そしてそれが地上でたまっていたのが上のホットスポットなのではないでしょうか。


東京都民も放射能とは息の長いおつきあいが必要なようですし、除染も他人事ではない人が増えれば、技術も従事する人も増えるので、考えようによっては逆にいいことかもしれません。


***************

(追記)

文科省「原発と無関係」と断定 瓶の中身はラジウム

だったそうです。

戦前から戦後にかけてはラジウムががん治療に広く使われていたといい、処分費用が高額だったため不法に廃棄されるケースもあったとされる。

って、そっちのほうも心配。


 


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