議論や関心がどんどん妙な方向に行っているような・・・
大飯原発:水位の警報作動 発表半日後で陳謝
(毎日新聞 2012年06月20日)
保安院などによると、警報が鳴ったことは、同原発に近い大飯オフサイトセンターに設置した「特別な監視体制」が発生と同時に把握。監視体制には保安院や関電、福井県などの担当者が常駐しているが、「安全への影響がなく、法令に基づく異常事象でもないので、夜中に発表する必要はないと判断した」という。
保安院の担当者は20日、「前倒し発表をする認識はあったが、結果的に発表が遅れたのは、判断を誤った」と説明した。
法令の「異常事象」の範囲が甘い、という批判であればまだわかりますが、大きなリスクでない事象を即座に報告しないことは非難されるべきことではないと思います。
機械装置である以上は何らかの不具合は起きるわけで、それが事故にならないようにすることが大事なはずです。
細かい不具合自体を許容しないかのような姿勢は「絶対安全神話」を支えた心理の裏返しのように思います。
こうやって非難される
と、隠蔽か過剰反応かどちらかにならざるを得なくなります。
その結果がこれ。
大飯原発で送電異常の警報 大気不安定で無線途切れる
(中国新聞 2012年06月24日)
関電は公表対象のトラブルではないが、特別な監視体制の下にある現状を踏まえて発表したとしている。再稼働準備作業への影響はないという。
心配するなら、普通の再稼動手続きをやっている大飯よりも、トラブルからの復旧途上にあるもんじゅの方をより心配すべきだと思います。
もんじゅ来月中、復旧見込み 中継装置の機能試験。無事終了
(MSN産経ニュース 2012年06月22日)
電力会社・保安院が責任追及されることに過敏になる→専門家も「大したことないですよ」とは言えずリスクを大きめに予測して万が一のときの責任を回避する→不安が不必要に拡大する→そのうち受け止める側が「オオカミ少年」ととらえてしまい、重大なリスクの兆候を見逃してしまうという展開にならなければいいのですが。