首相は8日夕、官邸で記者会見し「国民の生活を守るため、大飯3、4号機を再起動すべきだというのが私の判断だ」と表明。これを受け、西川知事は「重く受け止める」とコメントし、事実上同意する意向を示した。
おおい町長、大飯原発再稼働説明で首相会見を評価 「非常にありがたい」
福井県おおい町の時岡忍町長は8日、関西電力大飯原発3、4号機(同町)の再稼働問題をめぐる野田佳彦首相の会見を受け、町役場で報道陣に「原発の必要性と、立地自治体が果たしてきた役割を明言してもらい、非常にありがたい。今日まで時間がかかったが、納得できた」と述べた。
個人的には再稼動をやめた延長で脱原発というのも乱暴だと思うのですが、ただ一度再稼動してしまえば安全対策が曖昧にされてしまうのではないかという危惧を持っています。
地元の首長としては、一度再稼動を承認してしまうと逆に弱い立場になってしまうので、再稼動を承認する条件として上のような情感処理を求めるのでなく、万が一の事態に備えてより具体的な要求をすべきだったように思います。
たとえば政府が東日本大震災と同程度の震災(=千年に一度レベル)に対して安全性を主張しているのですから、万が一事故が起きたときに福島のように賠償額や東電の破綻リスクなどでもめたりしないように、事故が起きた場合にそのレベルに応じて事前に賠償額について関西電力と合意するとともに国の保証をとっておくべきだったように思います。
具体的には、事故レベルに応じて住民一人当たりに対する賠償額をかなり多め(たとえば住民登録をしている人に一律一人一億円+被曝推定量により増額)に決めておいたうえで、個別にそれ以上の損害を立証できた場合には請求を妨げない、さらにその損害賠償請求については国も連帯保証する、というのはどうでしょうか。
関電や国としても「安全」と言っている以上断りにくいはずです。
そして実際に万が一原発事故があった場合にも、住民の生活維持に対して最後のセーフティ・ネットにもなります。
さらに、大飯町に住民登録をすれば、いわば国の原子力政策に対してプットオプションを買うことができるわけで、国の原子力政策を信用していない人は住民税を掛け金にして「宝くじ」を買うこともできるわけです。
それを見越して大飯町も住民税率を少し上げれば、数十年後に脱原発になったときに備えて町の財政を強化することもできるのではないでしょうか。
事故があったら結局お金の問題になるのだから、地元自治体としては技術面にとどまらない多重防御の仕組みをとっておくべきだと思うのですが。
又、その事故で町民が如何なっても、勝手にしろ、誰も見向きもしない事になる上、石もて追われる事になる。
コメントのご趣旨はいまひとつわかりかねるところがあるのですが、この一つあとのエントリの『没落する文明』で論じられている「日本では天災には寛容だが人災には厳しい」というリスクを福井県はとったことになるとはいえるかもしれません。