一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

引き続きかんぽの宿

2009-01-30 | まつりごと

ひきつづきかんぽの宿の報道。
あいかわらず「叩けばいい」というスタンスありきのようです。

不動産業者、6000万円で転売=1万円の「かんぽの宿」-鳥取
(2009年1月29日(木)22:30 時事通信)

2007年3月、旧日本郵政公社から鳥取県岩美町の「かんぽの宿」を土地代を含め1万円で購入した東京の不動産開発会社が、半年後に鳥取市の社会福祉法人に6000万円で転売していたことが29日分かった。民営化を控えた郵政公社が、年間2670万円の営業赤字(05年度)を出す不採算施設として売り急いだ結果、買い手企業に短期で巨額の利益をもたらした格好だ。  

建物は1億円以上をかけて改修され、現在は老人ホームになっている。関係者によると、この社会福祉法人は設立に際し、閉鎖されるかんぽの宿を取得しようとしたが、既に他施設と一括で売却されることが決まっていた。このため、仲介業者を通じて売却先の不動産開発会社と交渉し、6000万円で引き取ることで合意。関係者は「郵政公社が1万円で売却したとは知らなかった」と話している。

年間2560万円の赤字が出ている施設なので、6000万円で売れたとしても売却まで2年5ヶ月以上かかれば結局損だったわけで、1万円で売却することで赤字垂れ流しをとめることがそれほど間違った判断とは思えません。
この場合の「営業赤字」の内訳はわかりませんが、資本コストを考慮していないとしたらなおさらです。

また、このケースでは他施設と一括売却したようですが、一括売却したすべての施設に売却時点で既に「ばら売り」の買い手がいたにもかかわらずそれぞれ1万円で売却した、というならともかく、一括売却の内訳としてこの施設の価格が1万円だったことをとらまえて非難するのは的外れだと思います。

そもそもバルクセール(まとめ売り)は資産を一括して処分できるのが売却側のメリットなわけですが、売却する資産がすべて無価値(=利用も転売も出来ない)なら買い手もつかないわけで、「これを買うことでもうけることができそうだ」と思わせる程度の玉石混交のポートフォリオである必要があります。
その中で「玉」から利益を上げた買い手がいたからといって、バルクセール自体が否定されるわけではないと思います。


そんな事言ってるから前回のバブルのときに不良債権・不良資産の処理に手間取ったということはもう忘れたのでしょうか?


 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 安売りでなく無駄遣い | トップ | 週刊ダイアモンドへのウイン... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

まつりごと」カテゴリの最新記事