記事ではふれていませんが、更新料はすべて家主に帰属しているわけではない、というあたりに問題のやっかいさがあるように思います。
家主が地元の不動産屋にテナント仲介や賃貸管理を任せていたりすると、更新に当たって更新料の半分くらいを手数料として不動産屋に払うのが一般的です。
ここで、更新料を過去にさかのぼって返還せざるを得なくなった場合でも、不動産屋との契約は消費者契約でないので、不動産屋に払った分は契約上有効なので戻ってこないことになります。そうなると、家主のダメージはもっと大きくなります。
また、不動産業者に一括して貸していれば、更新料の返還義務を負うのは不動産業者なのですが、家主に支払われる家賃が「テナントから受け取る賃料・更新料etcの何%」などと決まっていると、遡って返せ、という要求も出てきそうです。
さらに、更新料が無効になると、不動産屋は賃料からの自分の取り分を増やせと言うでしょうから、将来的にも家主の収入は減ることになります。
家賃収入は「労働なき富」の典型なので鳩山政権では逆風になりそうですが、「労働なき富」を得るには何らかの外部の力を使わないといけないし、それには労力とかリスク(特に突出して不合理な契約を結ぶような同業者がいたときに「労働なき富」としてカテゴライズされてバッシングされるという存在自体への自己言及的なリスクもあります)が伴うということだと思います。
だからといって、僕は家主が気の毒だからと言う理由で更新料を有効にしろというつもりはないのですが、「更新料」(または「賃料以外の」)名目で徴収する金が一律に消費者契約法違反というのも理屈立ても難しいようにも思います。
そのあたりは最高裁判決に注目です。
PS
ところで、「貸金過払いの次は更新料」と弁護士業界の一部は意気込んでいると言う話を聞きます。
消費者契約法違反で無効となると法施行の2001年4月以後の分は返還請求の対象になるので、訴える側の弁護士にとっては「七面鳥撃ち」のような楽な作業になるというわけです。
でも、それもどうなんでしょうね。それこそ職業独占を認められている弁護士の「労働なき富」なんじゃないかとか(でも苦労して司法試験に合格したという主張がされると思いますが、鳩山首相のように相続でもしない限り「労働なき富」を享受するまでには何がしかの、いや一般的には相当な努力をしたはずです)いう話になりそうです。
そういえば(ご本人はそういう意図ではなかったでしょうが結果的に)貸金訴訟の油田を掘り当てた宇都宮弁護士が立候補している日弁連の会長選挙の再投票が今日ありますが、その結果も注目です。
(それまでは顧問弁護士が選挙活動で仕事にならなくて困ってるという会社もあるようですし。)
なので、電子ブックなども「本はやはり紙だろ」という感じでいたのですが、最近電車の中でもキンドルだかソニーのリーダーだかの電子ブックだかを読んでいる人を時々見かけるようになりました。
ちょうど角川歴彦『クラウド時代とクール革命』と岩瀬大輔『生命保険のカラクリ』が電子化されて全文公開されたのでさわりだけ読んでみました。
感想としては、PCのディスプレイで見る限りは苦痛は感じずに、というより本になっているより読むスピードが早くなる感じがします。
おそらく、画面との距離が離れているのでページ全体を俯瞰するようになることや、凝視すると目が疲れそうな感じがすること、そしてページがクリックするだけでめくれることあたりに原因がありそうです。
逆に言えばそのへんに速読のコツがあるのかもしれません。
まあ、その辺はそのうち「脳科学者」などがいろいろ分析するのでしょう。
全部読んでから、内容の感想と合わせて書こうと思います。
Twitterもそんなに頻繁につぶやいてるわけじゃないのでそれほど目障りでもないかも知れないが、分けたほうが分かりやすいかもしれない。
というか、Twitterは言いっぱなしが逆にいいところなのかもしれない。
どっちも自分のペースでやりたいけど、あまり管理するのが増えるのも面倒なので、ちょっと検討中。
そういえば米国在住の友人からFacebookへの招待が来てたけど、そこまで手が回らないので放置している(ごめんなさい)。
ただでさえ生産性が低いと言われている日本のサラリーマンとしては考えどころかも。
先日とりあげた『線路を楽しむ鉄道学』で紹介されていたので早速購入。
著者は地理学の研究者で、鉄道忌避伝説が資料のない俗説だという研究は1980年代から学会誌などに発表されていましたが、その第一人者である(らしい)著者が一般人向けの本にしたものです。
とはいっても「吉川弘文館 歴史文化ライブラリー」のシリーズなので、普通の書店ではまず置いていなそうです。
本書では各地に残る「鉄道忌避伝説」が事実かどうかを検証するとともに、その俗説が出た背景を探っています。
一言でいえば、鉄道事業が始まった1872年以降、1880年代までは鉄道敷設に伴う築堤による農業水利の変化や洪水時の被害拡大を恐れた反対や、軍部の反対(新橋駅のところに海軍施設を作りたい、とか予算配分の問題)などはあったものの、そもそも鉄道自体は嫌悪施設として嫌われてきたことはなかった。
既成市街地の外に鉄道線路ができたのは住民の反対運動などによるものではなく、
・急勾配や長い橋を避けるために路線を決めた
・既存市街地だと用地買収が難しかった
・鉄道の延伸計画が相次いだため駅舎を終端駅でなく通過駅として設計する必要があったので、市街地を分断するのは困難だった。
などが主な理由であるとしています。
終端駅というのは大都市では上野と新橋くらいしかなく、大阪駅も神戸-大阪間が開通した時点で京都延伸計画があったので通過駅になったそうです。ちなみに山手線の上野~新橋間は既成市街地のため計画が難航し、環状運転になったのは大正14年になってから(関東大震災のおかげ?)です。
要するに「忌避」されたのでなく、もっぱら鉄道側の都合であり、中心市街地を避けるのが合理的だった、ということです。
語り口は学者風に堅いのですが、史料をもとに論理立てて語っていて説得力があります。
本書で多く引用されている史料の中でも初代鉄道局長井上勝の発言は、明治初期の閣僚の心意気を感じさせます。
井上は、国防のため鉄道は海岸線を避けるべきで、東京大阪間は中山道ルートを通すべしという山県有朋ら陸軍に対して、その不合理性について真っ向から反論したうえで、鉄道を語るならもっと勉強してから来いなどと啖呵を切ってみたり、地元からの反対に対して
此ノ如キ苦情ハ鉄道到ル所ニ必ズ之レアリ。皆自ラ道理ニ屈シテ言ハザルノミ。・・・而シテ此請願ノ挙タルヤ別ニ事情目的ノ存スルアリテ、実際ハ必ズシモ請願者ノ謂フ所ノ如クナラズト伝聞スルモ、民情ヲ考察スルハ別ニ其ノ当局者アルベシ。
と地元のいざこざを持ち込むんじゃねー、と切って捨てているあたりは清々しさを感じます。
今の役人は大津波警報で津波は実際に来たのに被害が出なかったからといって謝罪をしてしまうという状態にあるようですが、理屈が通ってない要求は「○○先生の依頼」とかマスコミを味方につけた地元の反対運動などにいちいち配慮せずに切って捨てるのが健全というくらいの世の中にならないと、行政コストは上がるわ、なり手はいないわ、と言うことになってしまうのではないかとそんなことが心配になりました(既にそうなっている?)。
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TLで偶然並んでました。
こういうのがあるから面白いのかもしれませんし、こういうのを面白がっているから「○○と暇人のもの」と言われてしまうのかもしれません。
katayama_s 片山さつき Official Blog : 名古屋サイン会、130 冊!会議室満員御礼! http://satsuki-katayama.livedoor.biz/archives/2787248.html
grande_armee 寝る前の調べモノをそのまま放流。<4357>いよいよ、ネオなところが表舞台にでてきました。目が離せないなぁと。 http://bit.ly/cEBbHt
オチはこちら
http://blog.goo.ne.jp/go2c/e/2b23bb985fe83cf300c45a061b3b4b39
toshiさんの「ビジネス法務の部屋」で面白いエントリがありました。
所詮コンプライアンスとはこんなもの?(温泉偽装事件)
岸和田市の温泉施設が近所の川の水を混入していたという事件ですが、いきり立つマスコミとインタビューに答える近所の住民の「たいしたことあらへん。そんなん、どこでもやっとるで」というコメントの対比がなかなか笑えます。
実際問題として、風呂の湯船のお湯は基本は口に入れることはないですし、川の水だって浄水器に通したり加熱すれば実質的な危険はそんなにないでしょうから、いちいち気にするよりは浴槽が大きかったり施設がきれいだったりすることの方が大事かもしれませんね。
昔の話ですが、水道水だって、東京では金町浄水場の取水口が以前は松戸市の下水処理場の排水溝の下流だったこともあったわけで(参照)、きちんと処理をすれば、水道法などには違反しているかもしれませんが危険ではないはずです。
(そもそも川の水を勝手に利用するほうが問題だと思うのですが、水利権とかの問題はないのでしょうか。)
過剰反応といえば土壌汚染もそうです。
今年の4月から施行される土壌汚染対策法の改正でも、現状の問題意識として
1 法に基づかない土壌汚染の発見の増加
(発見された汚染土壌の適正管理への不安)
3 汚染土壌の不適正な処理による汚染の拡散
(汚染土壌の不適正な処理事案の発生)
だけでなく
2 掘削除去の偏重
(土地の所有者等の過剰な負担:環境リスク低減の観点でも問題ある掘削除去の増加)
もあげています。(参照)
もともと土壌汚染対策法は
土壌が有害物質により汚染されると、その汚染された土壌を直接摂取したり、汚染された土壌から有害物質が溶け出した地下水を飲用すること等により人の健康に影響を及ぼすおそれがある。
ことを防止するのが目的(参照)で、土壌汚染が発見された時の対策も、有害物質が飛散・溶出しないようなアスファルト舗装をするとか溶出防止の鉄板を埋め込むとかの「封じ込め」を基本にしています。
にもかかわらず、有害物質が発見されると完全に撤去することが求められることがしばしばあります。
たとえば築地市場の豊洲移転についても、(そもそもの移転の当否はさておき)、土壌汚染が発覚したからといっても、きちんと舗装をして、井戸水をくみ上げて使ったりしなければいいわけで、わざわざ税金を何十億円もかけて完全に除去する必要はないように思います。
このようにマスコミに取り上げられる以外にも、J-Reitや不動産投資ファンドなどが融資元の金融機関や所管官庁である金融庁から過剰に遵法性を求められる、または「遵法」の範囲がはっきりしないなかで将来の指摘を恐れて過剰に反応する結果のように思います。
これに限らず、リスク・危険がない世の中を目指すのではなく、リスクの分担が公平・適切になされているか、という視点が大事だと思うんですが。
大津波警報下(八重山諸島はそれほどでもなかったのかな)での高い投票率が関心の高さをうかがわせます。
中山氏が初当選 石垣市長選 5千票差で大浜氏下す
(2010年2月28日 22時51分 沖縄タイムス)
任期満了に伴う石垣市長選挙は28日投開票され、新人で元市議の中山義隆氏(42)=無所属、自民、公明推薦=が、5期目を目指した大浜長照氏(62)=無所属、社民、共産、社大、民主推薦=に5014票差をつけ、初当選を果たした。当日有権者数は3万6281人。投票率は77・42%で前回を11・54ポイント上回った。
中山義隆氏(なかやま・よしたか) 1967年市登野城生まれ。近畿大商経学部卒。2006年日本青年会議所沖縄地区会長。同年の市議選で初当選。09年12月辞職。
当 中山義隆氏 1万6421票
大浜長照氏 1万1407票
票数が少ないですが、得票率は60%対40%と中山氏の大勝のようです。
もともと基地もない石垣市で革新市長(って死語?)が4期続いたというのも意外です。大浜氏は推薦順を見ると社民・共産系の人だったようですね。
候補者のプロフィールを見ると、年齢差や多選などの要素もあり、「民主党候補の敗北」と見るのが適当かどうかは分かりません。ただ、高齢・多選であろうと連立与党である社民党系の現職候補が立候補したいと言えば相乗りする(せざるを得ない?)という判断をしたあたりに民主党のほころびが出つつあるのかもしれません。
そして、「また民主党候補敗北」と報道されることが流れを作ることになるかもしれません。