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適年の移行先のメリット、デメリット・・・→移行後のコストと手間は?

2009-12-15 12:11:57 | 適格退職年金

適格退職年金の移行先のメリットとデメリットについてです。
今更ながらですが、コストと手間の観点からです。

適年の移行先には、適年と同じ制度はありません。
適年を利用していた時は、委託先金融機関(生命保険会社)に
年間一定額の手数料を支払って、制度の管理を依頼いまいた。
企業側では、手間はそれほど掛かっていなかったと思います。

この適年の時の手間とコストの感覚で、移行先の制度である、
確定給付企業年金、確定拠出年金、中小企業退職金共済を
考えると、大分あてが外れることになります。

特に中小企業退職金共済がそうです。
名前が中小企業~~共済なので、なんとなく、中小企業向き
で、中小企業にとって使い勝手がいいと勘違いしがちですが、
実は、使い勝手はよくありません。
掛金が、5,000円から10,000万円まで1,000円刻み、10,000円
から30,000万円までは2,000円刻みの16種類です。
この掛金で、自社の退職金規程のルールに合わせるとなると、
かなり大変です。掛金テーブルの作り方によっては、毎年の
手間がかかって、面倒ということになります。
それを嫌って、毎年の掛金変更の手間をかけないということに
なると、退職金の支給率とはかい離した積立額となり、従業員
の退職時に一時金で支払う金額が膨らんできます。

つまり、中退共は、適年から移行後の毎年(あるいは数年に一度)
の掛金変更の手間は、企業側が負うという制度です。
適年制度で保険会社に払っていた毎年の手数料がなくなるという
ことは、その分のコストが企業側の手間となると考えたほうがいい
です。

確定給付企業年金=DBでは、毎年の手数料など金融機関に払う
コストは、適年の時より高くなります。その上更に、適年と同様に
運用次第で積立不足が増減する不安を抱えることになります。

確定拠出年金=DCでは、とらえ方もよりますが、従業員が自分で
掛金を運用することがネックになるようです。



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