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息子が超ダメ息子なのに釣られて、母親もまるで呼応するように親バカぶりを発揮する映画。本当は血がつながっていないから実の母子ではないのだが、息子同然に可愛がっていた愚か者を必死で守ろうとする姿には母子愛を感じることが出来るが、その母子愛が報われないところは希望は無くても人生の哀愁を感じることができる。
1924年の南フランスにおいて、下宿屋のミモザ館がある。ミモザ館を仕切っている女将であるルイーズ(フランソワ・ロゼー)は夫のガストン(アンドレ・アレルム)との間には子供が生まれなかったが、ピエールという子供を我が子のように可愛がっていた。
しかし、刑務所に入っていたピエールの実の父が予定よりも早く刑期を終えて、ピエールを引き取りにきた。我が子のように可愛がっていたピエールは実の父親と一緒に、ミモザ館を去って行く。ルイーズ(フランソワ・ロゼー)と夫のガストン(アンドレ・アレルム)は悲しみに暮れる。
そして時は経ち、1934年。ミモザ館は下宿屋からホテルに変わり、順調な様相を見せていた。しかし、ある日のこと、ルイーズ(フランソワ・ロゼー)は今は実の父親は死んでしまい、1人でパリで暮らすピエール(ポール・ベルナール)から病気だという連絡を受ける。
心配してパリに出てきたルイーズ(フランソワ・ロゼー)だったが、ピエール(ポール・ベルナール)の生活は荒んでおり、彼の身を心配したルイーズ(フランソワ・ロゼー)は彼をミモザ館に連れて帰るのだが・・・
ピエール(ポール・ベルナール)のダメっぷりは相当だ。パリでの生活ぶりは金は使い放題で賭博まみれ。賭博場を仕切るやくざの親分の女であるネリー(リーズ・ドラマール)に手を出してしまい、フルボッコ状態にさせられてしまう。
そしてミモザ館に帰ってきて、マトモな人間になるかと思われたのも束の間、やっぱりヤクザの女のネリー(リーズ・ドラマール)の事を忘れることが出来ずに、ネリー(リーズ・ドラマール)をミモザ館に呼ぶための高額な旅費を捻出するのにルイーズ(フランソワ・ロゼー)のお金を盗もうとする始末。
いくら息子同然に可愛がっていたとしても普通なら勘当させられても当然なのに、ひたすら慈悲の心に満ちたルイーズ(フランソワ・ロゼー)はピエール(ポール・ベルナール)を許してしまい、ネリー(リーズ・ドラマール)をミモザ館に呼び寄せるための旅費をピエール(ポール・ベルナール)に与えてしまう。
血はつながっていないのに、親バカ振りを発揮するルイーズ(フランソワ・ロゼー)の姿は惨めに感じることも無く、逆に凛としていて逞しさを感じる。
しかし、この映画の面白くなるのはミモザ館にネリー(リーズ・ドラマール)がやって来てから。このネリー(リーズ・ドラマール)という女が相当にお金好きで、男好き。最初からピエール(ポール・ベルナール)とネリー(リーズ・ドラマール)の関係が絶対にうまく行かないことを確信しているルイーズ(フランソワ・ロゼー)だが息子同然のピエール(ポール・ベルナール)を守るためにあらゆる手段を使う。
そんなルイーズ(フランソワ・ロゼー)の行動及び、その事に対する結果に対して、観ている我々は母性愛、年増の悲劇、複雑な女心等を目の当たりにする。ミモザ館という狭い場所で繰り広げられる愛憎渦巻く人間ドラマが描かれたミモザ館は、ぜひ観てください
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フランソワーズ・ロゼー | |
ビデオメーカー |
監督はフランスのサイレント映画時代から活躍するジャック・フェデー。彼の作品では外人部隊が超お勧め。ちなみに僕が観た映画の中で最も印象的なラストシーンがこの映画です。
他に女だけの都が良いです。当時にしては珍しい女性賛歌の映画で、なかなか笑えるし、フランス映画にしては爽やかな後味のする映画です。
ルイーズを演じるのが往年のフランスを代表する女優のフランソワ・ロゼー。ジャック・フェデー監督の夫人でもあるように彼の作品に多く出演しています。
外人部隊、女だけの都は彼女の演技が光っています。
他にジュリアン・デュヴィヴィエ監督の舞踏会の手帖でも出演シーンは多くありませんが、非常に印象的でした。
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