褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 声をかくす人(2010) リンカーン暗殺後の物語です

2013年05月11日 | 映画(か行)
 スティーヴン・スピルバーグ監督のタイトル名もそのままズバリリンカーン、他にもリンカーン大統領がヴァンパイアと戦うリンカーン/秘密の書、なんとなく内容がタイトルから想像できるリンカーン VS ゾンビ等など真面目な作品から笑える作品まで色々とリンカーン絡みの映画が最近は多く公開されている。
 現在でも最も人気のある歴代大統領とされるエイブラハム・リンカーンだが、奴隷解放、名台詞など確かにインパクトのある政治家であることは事実だが、個人的な見解としてはそれほど誉められた人間では無いというのが僕の感想。『人民の・・・』で有名な台詞にしても別に彼の頭の中には黒人の事を念頭においていたわけでもなく、しかもインディアンを徹底的に虐めぬいたことを考えれば、所詮は彼の頭の中は徹底した白人原理主義者だろう。その点には人々によって色々と意見があると思うが、この場で文句は受付けない

 さて本作は確かにリンカーン絡みの作品ではあるが、リンカーン暗殺後の隠されたストーリーを暴露した作品。リンカーン暗殺の実行犯をトッ捕まえたら意外にもメアリー・サラットという女性の存在があった。果たして、この女性は本当にリンカーン暗殺の共謀罪を犯していたのか?と言うのがチョッとした内容の一部。このストーリーを通して、司法のあり方、本当の正義、勝てば官軍の愚かな考え方、信仰心等について考えさせられ、そして個人的に1番感激したのは母の子供を愛する家族愛

 アメリカを真っ二つにした南北戦争からリンカーン大統領暗殺を通して、現代にも通用するアメリカの社会問題を描き、さらには心震えるヒューマニズムをぶち込んだストーリーとは如何に
 アメリカ南北戦争によって奴隷解放を訴える北軍が勝つ。しかし、北軍に不満を持つ南軍の残党であるチョッと有名な舞台俳優であるジョン・ウィルクス・ブーストビー・ケベル)を中心とするグループはリンカーン大統領を暗殺し、他の要人にも暗殺未遂を引き起こす。
 北軍は威信をかけて、ジョン(トビー・ケベル)を始めとする暗殺実行部隊に関わった人々を次々捕まえるが、意外にも女手ひとつで下宿屋を経営しているメアリー・サットンロビン・ライト)も捕まっていた。
 彼女の下宿屋が暗殺グループの作戦会議場所になっており、きっとメアリー(ロビン・ライト)もリンカーン暗殺事件の内容を知っているはずだという理由から捕まっていた。しかも彼女の息子であるジョニー(ジョニー・シモンズ)はリンカーン暗殺に関わっており逃亡中だ。

 メアリー(ロビン・ライト)自身は無罪を主張するのだが、彼女の弁護を託されてしまったのが、かつては北軍として戦い、リンカーン大統領暗殺に対して更に南軍の残党を憎しと考えているフレデリック(ジェームズ・マカヴォイ)。彼の中ではメアリー(ロビン・ライト)は有罪で絞首刑は当たり前だと考えているために最初は全く気乗りがしない弁護だったのだが、やがてこの裁判がおかしいことに気付き、次第にメアリー(ロビン・ライト)は無罪であることを確信し始める。
 しかし、メアリー(ロビン・ライト)の無罪を立証するためには、どうしても彼女自身が隠している情報を聞き出す必要があるのだが・・・

 勝者のみが敗者を裁くことによる不公平な悲劇。特に北軍の横柄な連中は非常に腹立たしい。この映画の裁判シーンを見ていると、日本も不公平極まりない東京裁判を思い出す。俺が思うにあの戦争のA級戦犯は、日本に戦争を仕掛けるように持っていったフランクリン・ルーズベルトと、原子爆弾を投下して民間人を大量虐殺したハリー・S・トルーマンの2人のアメリカの大統領。いずれ歴史によって、この2人にこそA級戦犯の烙印を押さなければならない。
 勝つことこそが正義のアメリカって本当に昔も今も変わらない。
 
 ちなみに本作は1865年の実話。まさに145年の時を経てメアリー・サットンの名誉を回復した映画と言えるだろう。このような社会派映画を作ってしまうリベラルと呼ばれる人々はアメリカという国の役に立っているが、それに比べて日本の富、精神、領土を外国に売り飛ばしてしまいかねない日本のリベラルが全く国の役に立っていないのが非常に残念。このような社会派作品を観ていると、なんだかんだ言ってもアメリカという国が羨ましくなるから本当に不思議

 非常に渋い内容の映画ですが、有名スターは多く登場、なかなかセンスの良い映像、音楽などなど、もっと誉めたい部分がたくさんある声をかくす人は社会派作品が好きな人にはお勧めできます

声をかくす人 [DVD]
ジェームズ・マカヴォイ,ロビン・ライト,ケヴィン・クライン,エヴァン・レイチェル・ウッド,ダニー・ヒューストン
アミューズソフトエンタテインメント


 監督は大スターでもあるロバート・レッドフォード。彼の監督作品群は大スターらしくなく渋い作品ばかり。彼のお勧め作品となると社会派作品ではクイズショウ、トム・クルーズ、メリル・ストリープ競演の大いなる陰謀が良いです。
 個人的にはどこかノスタルジックな作風のレッドフォード監督作品が好きなのですが、父親として悩みまくるドナルド・サザーランド出演の普通の人々、ブラッド・ピット主演のリバー・ランズ・スルー・イット、俺好みのスタイル抜群のスカーレット・ヨハンソンが子役で出演しているモンタナの風に抱かれてがお勧め。

 渋い作品ですがかなりの豪華キャスト
 正義を貫けば貫くほど苦しみが大きくなっていくフレデリックを演じるのがジェームズ・マカヴォイ。この人のお勧め作品は名優フォレスト・ウィティカーがウガンダの独裁者インディ・アミンを演じたラスト・キング・オブ・スコットランドが良いです。

 結局最後は悲劇的な運命を迎えるメアリー・サラットを演じるのが、あの名優ショーン・ペンの元妻であるロビン・ライト。彼女のお勧め作品となるとショーン・ペン監督、ジャック・ニコルソン競演のプレッジが良いです。

 メアリー・サラットの娘アンナ・サラットを演じたのがエヴァン・レイチェル・ウッド。本作品では迫真の演技を見せていますが、今後に益々期待したくなる女優さん。ミッキー・ローク主演のレスラー、そして特にお勧めなのがユマ・サーマン競演のダイアナの選択が超お勧め。

 観ている途中は気付きませんでしたが裁判に大きな影響を及ぼすエドウィン・スタントン役で名優ケヴィン・クラインが出演しています。コメディーからシリアスな役柄を簡単に演じ分けてしまう印象があります。南アフリカのアパルトヘイト政策を批判したリチャード・アッテンボロー監督、デンゼル・ワシントン競演の遠い夜明け、ブラックジョーク炸裂のワンダとダイヤと優しい奴ら、心に大きな傷を背負った同士の不思議な恋愛模様が描かれるメリル・ストリープ競演のソフィーの選択がお勧め

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コメント (2)
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