モダン・ホラー作家として有名なスティーヴン・キング原作の同名タイトルの映画化作品にして、ホラー映画の金字塔的作品が今回紹介する映画キャリーだ。時々、小手先の映像テクニックに走り過ぎて大して面白くない駄作も撮ってしまうブライアン・デ・パルマ監督だが、今回紹介するキャリーに関しては、映像テクニックと題材が見事に融合した傑作だ。
別に今に発したことではないが、最近は学校でのイジメの問題がたくさん発覚している。もう時効?なので自分自身の罪を告白すると、俺も弱い者イジメをしていた側に立っていた人間だ。俺と同様の人間が本作品を観ると、とても反省させられる映画であり、思わず『お~、神様!私の罪を許してくださ~い!』とお願いしたくなる作品。しかし、そんなことをお願いしても叶えられない事がよくわかり、これからの一生をずっとその罪を背負って生きなければならないのかと絶望した気分にさえなってしまったのが悲しい。
最近きゃりーぱみゅぱみゅと言うややこしい名前の可愛い女の子が面白い歌を歌っているが、本作品の主人公である女子高生のキャリーの顔はお世辞にも可愛いとは言い難いし、性格もオドオドしていて、いつも孤独で、他の女子生徒からイジメを受けている。しかも何の取り得も無いような女の子であるが、ある超能力を持っているという設定。
あまりにも酷いイジメによって超能力を自分自身でコントロールが出来ずに爆発させるシーンが、最高のみどころ。大して罪の無い人までも巻き添えにしてしまう怖いシーンであるが、それまでの展開を考えたら爽快な気分も味わえる凄いシーンだ。なんだか天国から一気に地獄へ叩き落される瞬間の気分を味わえる。
しかし、本作品で本当に怖いのはキャリーのお母さんの方。このお母さんが強烈なキリスト教の信者。とにかく性教育に関しては無茶苦茶。アダムとイヴの原罪の話を持ち出してキャリーを説教するシーンが特に怖い。今も大して変わらないが、俺の高校時代の時の頭の中はエロイことだらけ。そんな俺にアダムとイヴがセックスをして、それで生まれたカインが人を殺したのよと説教されても、俺のエロさは治らない。もし俺の母ちゃんが、このキャリーのお母さんみたいな人だったら、俺は神様に捧げる生贄として、とっくにこの世の中から消えていただろう。
さて、いじめられっ子の女子高生キャリーの怒りが爆発、なんとなく実はキャリーの成長物語でもあったのか?なんて思わせるストーリーとはいかなるものか。
女子高生であるキャリー(シシー・スペイセク)は体育の授業後のシャワー室において初めての生理を経験する。母親や友達から全く性教育の話を聞かされていない、キャリー(スペイセク)は股の間から血が流れているのにビックリして、大パニックを起こすが、周りの女の子たちはそんなキャリー(スペイセク)に対して、タンポン等を投げつけたりして、からかっていた。
家に帰って、そのことを母親のマーガレット(パイパー・ローリー)に話すと、キリスト教の狂信者である彼女はキャリー(スペイセク)に対して、『それは罪なことだわ』とわけのわからないことを言って怒りだす。キャリー(スペイセク)は母親のマーガレット(ローリー)からも強圧的に支配されていたのだ。
ある日のこと、キャリー(スペイセク)と同級生のスー(エイミー・アーヴィング)は、いつも苛めていた彼女に対する罪滅ぼしのために彼氏であるトミー(ウィリアム・カット)に、高校主催のプロムパーティー(高校生最後のパーティー、男女ペアで参加することが必須条件)に、キャリー(スペイセク)の相手役として参加するように頼む。
同級生で1番格好良いトミー(カット)にプロムパーティーに誘われた、キャリー(スペイセク)は何か裏があると思いながら、内心では大喜びであるために、トミー(カット)の誘いに応じて参加することに決める。プロムパーティーに出るために、キャリー(スペイセク)は母親のマーガレット(ローリー)が強引に引き止めようとするのにも屈せず、彼女はドレスを新調し、ちょっとお化粧なんかしたりしてトミー(カット)とプロムパーティーに参加する。そしてトミー(カット)と一緒にベストカップル賞に選ばれるなど、今まで生きてきた中で一番の幸福を感じていたのだが、その時キャリー(スペイセク)の頭上に大量の豚の血が降ってきて・・・
冒頭の女子更衣室兼シャワールームのスローモーション撮影から、ちょっとしたエッチな青春映画かと思わせといて、血が出てくるシーンでビックリさせるなど、流石はブライアン・デ・パルマ監督。本当に驚かせるのが好きな監督で、それはラストシーンにも表わされる。しかし、楽しそうなパーティーシーンが一転して地獄の絵巻図のようなシーンになるが、CG技術が大したことの無い時代において凄いシーン。ポセイドン・アドベンチャーやタワーリング・インフェルノなどの1970年代のパニック映画に代表されるように、CG技術が発達していないからこその迫力を1970年代の映画には感じる時がある。
しかし、所々でキリスト教に対してシニカルに描いているシーンもなかなか見ていて楽しい。キャリーと母親の対決シーンにおいて、刃物がビュンビュン飛んでくるシーンは、ヒッチコックの影響を受けていて笑えると同時に、非常に宗教的に毒気があり感心するシーン。こういう名シーンがあるだけでも、本作は名作の部類に入れても良いと思う。
さて、もうすぐ日本においても同名タイトルで本作のリメイクが登場する。だいたいリメイク作品なんていうのは本家を超えられないとしたものだが、この映画を超えるのは難しい。ユニークなブライアン・デ・パルマ監督らしい演出が際立っているだけに、果たしてリメイク版がどれだけのユニークな仕上がりを見せるのか?また現代においてリメイクされる理由とは何なのか?母親役をジュリアン・ムーアが演じるが、怖そうなお母さんであるのは想像できる。
なんだか血まみれのシーンが強烈過ぎてグロテスクな印象を持たれているかもしれないが、演出的な見どころ、学園物の青春映画的な面白さを感じたり、けっこう今思えば豪華キャストだったり、とにかくサスペンスが非常に楽しいキャリーはホラー映画で片付けてしまうには勿体ないぐらいの面白い映画で、お勧めです
監督は前述しているようにブライアン・デ・パルマ。自称ヒッチコックの後継者と言っているだけに、サスペンス映画においてヒッチコック作品の影響を受けていると言うよりも、何の臆することなくパクっている潔さが、ある意味凄い。ヒッチコックタッチを引きずっているサスペンス映画よりも、アル・パチーノ主演のキューバン・マフィアの成り上がっていく様子と破滅を描いたスカーフェイス、ケビン・コスナー、ショーン・コネリー、ロバート・デ・ニーロなどの豪華キャストで、財務省の役人であるエリオット・ネスとシカゴの大物マフィアのアル・カポネの対決を描いたアンタッチャブル、オペラ座の怪人やメフィストのような古典劇を取り入れた、ロックミュージカルのファントム・オブ・パラダイスがお勧め。
主演のキャリーを演じるのはシシー・スペイセク。本作品で相当な個性を見せ付けましたが、現在も活躍する女優さんで多くの名作に登場しています。コスタ・ガヴラス監督、ジャック・レモン競演のミッシングがお勧め。他にオリバー・ストーン監督のJFKでも印象的な演技を示し、デヴィッド・リンチ監督の彼らしくない普通に感動するストレイト・ストーリーもお勧めです。
キャリーのお母さん役でパイパー・ローリーが出演しています。この人の印象的な作品は、ポール・ニューマン主演のハスラー。ニューマンの悲劇の彼女役は名演技でしたが、本作でも名演技を披露します。
他にいじめっ子のリーダー的な存在でナンシー・アレンが出演しています。本作と同じくブライアン・デ・パルマ監督作品の殺しのドレス、ロボコップがお勧め。
そして若きジョン・トラヴォルタが出演しています。これまた本作と同じくブライアン・デ・パルマ監督でミッドナイト・クロスが面白い。他にクエンティン・タランティーノ監督のパルプ・フィクション、ジョン・ウー監督、ニコラス・ケイジ競演のフェイス/オフ、トニー・スコット監督、デンゼル・ワシントン競演のサブウェイ123 激突等お勧め多数です。
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別に今に発したことではないが、最近は学校でのイジメの問題がたくさん発覚している。もう時効?なので自分自身の罪を告白すると、俺も弱い者イジメをしていた側に立っていた人間だ。俺と同様の人間が本作品を観ると、とても反省させられる映画であり、思わず『お~、神様!私の罪を許してくださ~い!』とお願いしたくなる作品。しかし、そんなことをお願いしても叶えられない事がよくわかり、これからの一生をずっとその罪を背負って生きなければならないのかと絶望した気分にさえなってしまったのが悲しい。
最近きゃりーぱみゅぱみゅと言うややこしい名前の可愛い女の子が面白い歌を歌っているが、本作品の主人公である女子高生のキャリーの顔はお世辞にも可愛いとは言い難いし、性格もオドオドしていて、いつも孤独で、他の女子生徒からイジメを受けている。しかも何の取り得も無いような女の子であるが、ある超能力を持っているという設定。
あまりにも酷いイジメによって超能力を自分自身でコントロールが出来ずに爆発させるシーンが、最高のみどころ。大して罪の無い人までも巻き添えにしてしまう怖いシーンであるが、それまでの展開を考えたら爽快な気分も味わえる凄いシーンだ。なんだか天国から一気に地獄へ叩き落される瞬間の気分を味わえる。
しかし、本作品で本当に怖いのはキャリーのお母さんの方。このお母さんが強烈なキリスト教の信者。とにかく性教育に関しては無茶苦茶。アダムとイヴの原罪の話を持ち出してキャリーを説教するシーンが特に怖い。今も大して変わらないが、俺の高校時代の時の頭の中はエロイことだらけ。そんな俺にアダムとイヴがセックスをして、それで生まれたカインが人を殺したのよと説教されても、俺のエロさは治らない。もし俺の母ちゃんが、このキャリーのお母さんみたいな人だったら、俺は神様に捧げる生贄として、とっくにこの世の中から消えていただろう。
さて、いじめられっ子の女子高生キャリーの怒りが爆発、なんとなく実はキャリーの成長物語でもあったのか?なんて思わせるストーリーとはいかなるものか。
女子高生であるキャリー(シシー・スペイセク)は体育の授業後のシャワー室において初めての生理を経験する。母親や友達から全く性教育の話を聞かされていない、キャリー(スペイセク)は股の間から血が流れているのにビックリして、大パニックを起こすが、周りの女の子たちはそんなキャリー(スペイセク)に対して、タンポン等を投げつけたりして、からかっていた。
家に帰って、そのことを母親のマーガレット(パイパー・ローリー)に話すと、キリスト教の狂信者である彼女はキャリー(スペイセク)に対して、『それは罪なことだわ』とわけのわからないことを言って怒りだす。キャリー(スペイセク)は母親のマーガレット(ローリー)からも強圧的に支配されていたのだ。
ある日のこと、キャリー(スペイセク)と同級生のスー(エイミー・アーヴィング)は、いつも苛めていた彼女に対する罪滅ぼしのために彼氏であるトミー(ウィリアム・カット)に、高校主催のプロムパーティー(高校生最後のパーティー、男女ペアで参加することが必須条件)に、キャリー(スペイセク)の相手役として参加するように頼む。
同級生で1番格好良いトミー(カット)にプロムパーティーに誘われた、キャリー(スペイセク)は何か裏があると思いながら、内心では大喜びであるために、トミー(カット)の誘いに応じて参加することに決める。プロムパーティーに出るために、キャリー(スペイセク)は母親のマーガレット(ローリー)が強引に引き止めようとするのにも屈せず、彼女はドレスを新調し、ちょっとお化粧なんかしたりしてトミー(カット)とプロムパーティーに参加する。そしてトミー(カット)と一緒にベストカップル賞に選ばれるなど、今まで生きてきた中で一番の幸福を感じていたのだが、その時キャリー(スペイセク)の頭上に大量の豚の血が降ってきて・・・
冒頭の女子更衣室兼シャワールームのスローモーション撮影から、ちょっとしたエッチな青春映画かと思わせといて、血が出てくるシーンでビックリさせるなど、流石はブライアン・デ・パルマ監督。本当に驚かせるのが好きな監督で、それはラストシーンにも表わされる。しかし、楽しそうなパーティーシーンが一転して地獄の絵巻図のようなシーンになるが、CG技術が大したことの無い時代において凄いシーン。ポセイドン・アドベンチャーやタワーリング・インフェルノなどの1970年代のパニック映画に代表されるように、CG技術が発達していないからこその迫力を1970年代の映画には感じる時がある。
しかし、所々でキリスト教に対してシニカルに描いているシーンもなかなか見ていて楽しい。キャリーと母親の対決シーンにおいて、刃物がビュンビュン飛んでくるシーンは、ヒッチコックの影響を受けていて笑えると同時に、非常に宗教的に毒気があり感心するシーン。こういう名シーンがあるだけでも、本作は名作の部類に入れても良いと思う。
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シシー・スペイセク,パイパー・ローリー,ジョン・トラボルタ | |
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン |
キャリー [DVD] | |
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監督は前述しているようにブライアン・デ・パルマ。自称ヒッチコックの後継者と言っているだけに、サスペンス映画においてヒッチコック作品の影響を受けていると言うよりも、何の臆することなくパクっている潔さが、ある意味凄い。ヒッチコックタッチを引きずっているサスペンス映画よりも、アル・パチーノ主演のキューバン・マフィアの成り上がっていく様子と破滅を描いたスカーフェイス、ケビン・コスナー、ショーン・コネリー、ロバート・デ・ニーロなどの豪華キャストで、財務省の役人であるエリオット・ネスとシカゴの大物マフィアのアル・カポネの対決を描いたアンタッチャブル、オペラ座の怪人やメフィストのような古典劇を取り入れた、ロックミュージカルのファントム・オブ・パラダイスがお勧め。
主演のキャリーを演じるのはシシー・スペイセク。本作品で相当な個性を見せ付けましたが、現在も活躍する女優さんで多くの名作に登場しています。コスタ・ガヴラス監督、ジャック・レモン競演のミッシングがお勧め。他にオリバー・ストーン監督のJFKでも印象的な演技を示し、デヴィッド・リンチ監督の彼らしくない普通に感動するストレイト・ストーリーもお勧めです。
キャリーのお母さん役でパイパー・ローリーが出演しています。この人の印象的な作品は、ポール・ニューマン主演のハスラー。ニューマンの悲劇の彼女役は名演技でしたが、本作でも名演技を披露します。
他にいじめっ子のリーダー的な存在でナンシー・アレンが出演しています。本作と同じくブライアン・デ・パルマ監督作品の殺しのドレス、ロボコップがお勧め。
そして若きジョン・トラヴォルタが出演しています。これまた本作と同じくブライアン・デ・パルマ監督でミッドナイト・クロスが面白い。他にクエンティン・タランティーノ監督のパルプ・フィクション、ジョン・ウー監督、ニコラス・ケイジ競演のフェイス/オフ、トニー・スコット監督、デンゼル・ワシントン競演のサブウェイ123 激突等お勧め多数です。
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