褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ギルバート・グレイプ(1993) 未来への希望を感じます

2014年01月10日 | 映画(か行)
 毎日がイライラの連発で、人生が全くの思い通りにならなくて嫌気がさしている人はきっと多いだろう。そんな人々に癒しと希望を与えてくれる映画が今回紹介するギルバート・グレイプ。今や大スターになってしまったジョニー・デップレオナルド・ディカプリオが若くてフレッシュな魅力で兄弟を演じているのも注目だ。
 ジョニー・デップ演じる主人公のお兄ちゃんの境遇が何とも切ない。生まれ育った田舎の町から一度も出たことが無いのだが、父親は17年前に首を吊って自殺しており、それ以来母親は家から一歩も出ずにまるでアザラシの如く太ってしまっている。家の中を歩くたびにミシミシ音が鳴っている様子が、今にも床が抜け落ちそうで怖い。
 そしてレオナルド・ディカプリオ演じる弟は知的障害を抱えていて、しかもやたら高いところが大好きで、ちょっと目を離した隙に給水塔に登ってしまうように非常にはた迷惑な弟。おまけに姉ちゃんは失職中で、妹はわがまま。そんな一家を小さな食料品店で働いて支えているのだが、もはや彼の人生は介護に明け暮れ、夢も無ければ希望も感じられない。そんな彼の唯一の楽しみと言えば、自分が働く食料品店に度々やってくる中年夫人との不倫。しかし、それとて見ていてそれほど羨ましくも感じない。
 青春のエネルギーを使う間もなく、すっかり燃え尽き症候群に罹ってしまったように思えるジョニー・デップ演じるお兄ちゃんが如何にして、これからの人生に希望を見いだすのか?

 ちなみに邦題のギルバート・グレイプはジョニー・デップ演じる主人公の名前。単に主人公の名前を邦題に持ってくるセンスの無さには呆れるばかりだが、原題はWhat's Eating Gilbert Grape。頭の悪い俺はeatの意味が『~を食べる』しか思い浮かばないために、そんな恐ろしいストーリーだったけ?と一瞬面食らったが、実はeatには『〈病気・心配が〉〈人を〉やつれさせる;…を大いに困らせる, ひどく悩ませる, いらいらさせる』の意味があり、そのような原題の意味を知った上で見るとなかなか奥深いストーリーだと感じるし、なかなか意味深な台詞が多く出てくることに気付く。

 さて、楽しくない日々を送っている主人公及び多くの人々に希望を与えるストーリーとは如何なるものか?
 アイオワ州の小さな町であるエンドーラにおいて。エンドーラの町から一歩も外へ出たことがないギルバート・グレイプ(ジョニー・デップ)だが彼にはそれなりの理由があった。17年前に父親を亡くし、そのショックで家から一歩も外へ出ることが出来ずに過食症の末に見るも無残な姿になってしまった母親と重度の知的障害に罹っている弟アニー(レオナルド・ディカプリオ)の世話で自分のことなど考える余裕すらなかった。
 ある日のこと、旅の途中でキャンピングトレーラーが故障して、エンドーラの町に留まっているベッキー(ジュリエット・ルイス)とギルバート(ジョニー・デップ)は知り合い、急速に親しくなっていく。ベッキー(ジュリエット・ルイス)はギルバート(ジョニー・デップ)に、一緒にこの町を出て旅をしようと提案するのだが彼はなかなか決心がつかない。そしてついにギルバート(ジョニー・デップ)は言うことの聞かないアニー(レオナルド・ディカプリオ)に対して、日頃のたまったイライラを爆発させてしまうのだが・・・

 ベッキー(ジュリエット・ルイス)がギルバート(ジョニー・デップ)に諭すように『メスのカマキリは交尾した後に、オスのカマキリを殺すのよ』なんて言う台詞が何気に飛び出してくるが、果たしてこの台詞は一体何を意味するのか、けっこう悩ましい。男はロクでもない女と付き合ったら悲惨なことになるのよ、と言う意味なのか?もし、そうだとしたら一体誰の事を指しているのか?チョイチョイ意味深な台詞が出てくるのがこの映画の魅力の一つ。しかし、そんな台詞に気付かなかったとしても誰もが観終わった後に『ああ~、良い映画を観たな~』という素敵な気分になれる映画。この映画には大いなる家族愛、誰もが経験する青春の悩み、そして旅立ち等のような普遍的なテーマが描かれいるからだ。
 特にジョニー・デップレオナルド・ディカプリオの兄弟の絆の固さには泣けてくる。そしてレオナルド・ディカプリオって実は凄い役者だったんだ、と言うことに改めて気付かせてくれるありがたい映画でもある。
 多くのジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオのファンである女の子は必見なのは言うまでもないが、今まで傷ついた人生を送ってきたと悲観している人、これからの人生に希望を持ちたいと願っている人にはギルバート・グレイプはお勧めだし、それ以外の人にもお勧めだ

ギルバート・グレイプ [DVD]
ジョニー・デップ,レオナルド・ディカプリオ,ジュリエット・ルイス
角川書店


 監督はスウェーデン人のラッセ・ハルストレム。俺にとっては本当に癒される作品を連発してくれる監督。スウェーデン時代の作品ではマイライフ・アズ・ア・ドッグやかまし村の子どもたちがお勧め。ハリウッドに移ってからも良作品を連発。トビー・マグワイア、シャリーズ・セロン、マイケル・ケイン共演のサイダーハウス・ルール(個人的には彼の作品では1番好き)、チョコレートがなぜか食べたくなるジュリエット・ビノシュ主演、ジョニー・デップ共演のショコラ、ロバート・レッドフォード、モーガン・フリーマン、ジェニファー・ロペス共演のアンフィニッシュ・ライフがお勧め。

 主演は今さら説明の必要がない大スタージョニー・デップ。今や名優と言っても良い存在になりましたが、名優にありがちな堅苦しさが無いのが持ち味。個人的に彼の作品で最も好きなのがロバート・ロドリゲス監督、アントニオ・バンデラス共演のレジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード。この映画のジョニー・デップは凄いと思いました。

 知的障害の役を完璧なぐらいに演じたのが、これも今さら説明の必要の無い大スターレオナルド・ディカプリオ。今回はロバート・デ・ニーロ、エレン・バーキン共演のボーイズ・ライフをお勧めに挙げておきます。ロバート・デ・ニーロに引けをとらない演技を若くして見せています。
 
 ギルバート・グレイプの運命をを変える女の子ベッキー役にジュリエット・ルイス。最近はあまり見かけなくなりましたが若い頃から個性的な魅力を持った女優さん。マーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ、ニック・ノルティ、ジェシカ・ラング共演の怖いサスペンス映画ケープ・フィア、ブラッド・ピットの強烈な殺人鬼役が観られるカリフォルニア、ゲイリー・オールドマンが悲惨な刑事を演じ、レナ・オリンが強烈な悪女役を見せつける蜘蛛女がお勧め。

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コメント (4)
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