ソ連が崩壊してしまって以降、すっかり緊張感に満ちたスパイ映画というのが無くなってしまった。まあ、それでもジェームズ・ボンドが超人的な活躍をする007シリーズは健在だし、トム・クルーズが素敵な笑顔を振り撒くミッション:インポッシブルシリーズも新作を公開する度に大ヒット。仕掛けがド派手で見た目が楽しいスパイ映画の需要は現在においても映画産業を活気溢れるものにしている。
しかし、中にはノーテンキなだけのスパイ映画は飽きたと言う人も居るだろう。派手な撃ち合い、爆発するシーンは俺の記憶ではなかったような気がするが、とにかく普段は使わない脳ミソをフル回転させる知的興奮を味わえるスパイ映画が今回紹介する映画裏切りのサーカス。スパイ小説の第一人者であるジョン・ル・カレによる原作小説の映画化作品だ。
前述したような007シリーズ、ミッション:インポッシブルシリーズとは雰囲気が全く異なり、非常に懐かしい気分にさせるスパイ映画。それもそのはず、1970年代の東西冷戦が時代背景だ。
さて、諜報機関内において二重スパイの存在をめぐって熾烈な抗争が描かれるストーリーとはいかなるものか。
1970年代の冷戦時代において。イギリスの諜報機関サーカスは長年に渡り、ソ連の諜報機関KGBと激しい情報戦を繰り広げていた。サーカスのリーダーであるコントロール(ジョン・ハート)は、毎度の作戦失敗、情報漏れからサーカスの組織内部にソ連諜報機関の二重スパイ、通称”モグラ”が存在していることを確信。彼はモグラの情報を得るために部下のジム・ブリドー(マーク・ストロング)をハンガリーへ派遣。しかし、ジム・プリドーは背中から銃で撃たれ、またもや作戦失敗。コントロールは作戦の失敗の責任をとって、彼の長年の相棒であるジョージ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン)を連れて引退する。
しかし、程なくしてコントロールは謎の死亡。引退していたジョージ・スマイリーのもとにモグラを探し出せとの命令が下される。スマイリーは今は左遷されてしまっているが信頼のおける元部下のピーター・ギラム(ベネディクト・カンバーバッチ)の協力を得て、モグラ探しを始める。コントロールは生前において、幹部の5人の内の1人がモグラであることを確信していたことを突き止める。しかし、その5人の中にスマイリー自身の名前があることを知ってしまい・・・
次から次へと人物が登場し、過去と現在が交錯するシーンが多くて、別の意味で脳ミソを使うことになる人が多いかもしれない。名前と顔が一致しないのに、おまけに疑わしい幹部の5人には、あだ名が付けられているのだから尚更ややこしい。しかしながら、登場人物たちはネームバリューのある役者ばかり。俺が知らない俳優も出ているが、見た目からしてインパクトのある奴等が登場するから最初から顔と名前、そしてあだ名も最初から覚えるつもりで気合いを入れて観ると、けっこう理解しやすいかも。
本作の主題となるところは、諜報機関組織サーカスの中に存在する敵国ソ連の二重スパイ、通称モグラは果たして誰なのか?という一点のみ。見終わった後に意外性があるかどうかは評価の別れるところだろう。俺なんかは出てきた瞬間から、こいつが一番怪しいと思って観ていたのだが、やっぱりその通りの結果だった。
しかし、その過程におけるサスペンス感は観ている我々に心地良い緊張感を与えてくれる。そして、本作が丁寧に描かれているのが人間関係。友情、恋愛、ライバルなどを観終えた後に思い返すと言葉にできない深い余韻を残す。特に忘れかけていた過去の因縁が今までの自分の人生に付きまとっていたことを悟った時のジョージ・スマイリーの気持ちを考えると、単なるスパイ映画に飽き足らず人間ドラマとしても非常に優れものだ。
大人が観賞するのに相応しいスパイ映画が観たい人、そうとう記憶力に自信のある人なんかにはお勧めしたい、そして実は既に観ているけれど『よくわからん?』と感じた人も映画裏切りのサーカスを再見することを勧める。ちなみに俺も実は今回が2回目の観賞です。
ちなみに監督はスウェーデン人のトーマス・アルフレッドソン。彼の代表作と言えば、残酷ながらも美しい結末が印象的なぼくのエリ 200歳の少女がお勧めです。
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しかし、中にはノーテンキなだけのスパイ映画は飽きたと言う人も居るだろう。派手な撃ち合い、爆発するシーンは俺の記憶ではなかったような気がするが、とにかく普段は使わない脳ミソをフル回転させる知的興奮を味わえるスパイ映画が今回紹介する映画裏切りのサーカス。スパイ小説の第一人者であるジョン・ル・カレによる原作小説の映画化作品だ。
前述したような007シリーズ、ミッション:インポッシブルシリーズとは雰囲気が全く異なり、非常に懐かしい気分にさせるスパイ映画。それもそのはず、1970年代の東西冷戦が時代背景だ。
さて、諜報機関内において二重スパイの存在をめぐって熾烈な抗争が描かれるストーリーとはいかなるものか。
1970年代の冷戦時代において。イギリスの諜報機関サーカスは長年に渡り、ソ連の諜報機関KGBと激しい情報戦を繰り広げていた。サーカスのリーダーであるコントロール(ジョン・ハート)は、毎度の作戦失敗、情報漏れからサーカスの組織内部にソ連諜報機関の二重スパイ、通称”モグラ”が存在していることを確信。彼はモグラの情報を得るために部下のジム・ブリドー(マーク・ストロング)をハンガリーへ派遣。しかし、ジム・プリドーは背中から銃で撃たれ、またもや作戦失敗。コントロールは作戦の失敗の責任をとって、彼の長年の相棒であるジョージ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン)を連れて引退する。
しかし、程なくしてコントロールは謎の死亡。引退していたジョージ・スマイリーのもとにモグラを探し出せとの命令が下される。スマイリーは今は左遷されてしまっているが信頼のおける元部下のピーター・ギラム(ベネディクト・カンバーバッチ)の協力を得て、モグラ探しを始める。コントロールは生前において、幹部の5人の内の1人がモグラであることを確信していたことを突き止める。しかし、その5人の中にスマイリー自身の名前があることを知ってしまい・・・
次から次へと人物が登場し、過去と現在が交錯するシーンが多くて、別の意味で脳ミソを使うことになる人が多いかもしれない。名前と顔が一致しないのに、おまけに疑わしい幹部の5人には、あだ名が付けられているのだから尚更ややこしい。しかしながら、登場人物たちはネームバリューのある役者ばかり。俺が知らない俳優も出ているが、見た目からしてインパクトのある奴等が登場するから最初から顔と名前、そしてあだ名も最初から覚えるつもりで気合いを入れて観ると、けっこう理解しやすいかも。
本作の主題となるところは、諜報機関組織サーカスの中に存在する敵国ソ連の二重スパイ、通称モグラは果たして誰なのか?という一点のみ。見終わった後に意外性があるかどうかは評価の別れるところだろう。俺なんかは出てきた瞬間から、こいつが一番怪しいと思って観ていたのだが、やっぱりその通りの結果だった。
しかし、その過程におけるサスペンス感は観ている我々に心地良い緊張感を与えてくれる。そして、本作が丁寧に描かれているのが人間関係。友情、恋愛、ライバルなどを観終えた後に思い返すと言葉にできない深い余韻を残す。特に忘れかけていた過去の因縁が今までの自分の人生に付きまとっていたことを悟った時のジョージ・スマイリーの気持ちを考えると、単なるスパイ映画に飽き足らず人間ドラマとしても非常に優れものだ。
大人が観賞するのに相応しいスパイ映画が観たい人、そうとう記憶力に自信のある人なんかにはお勧めしたい、そして実は既に観ているけれど『よくわからん?』と感じた人も映画裏切りのサーカスを再見することを勧める。ちなみに俺も実は今回が2回目の観賞です。
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ゲイリー・オールドマン,コリン・ファース,トム・ハーディ,ジョン・ハート,トビ―・ジョーンズ | |
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ちなみに監督はスウェーデン人のトーマス・アルフレッドソン。彼の代表作と言えば、残酷ながらも美しい結末が印象的なぼくのエリ 200歳の少女がお勧めです。
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