褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 バード(1988) チャーリー・パーカーの伝記映画

2017年05月09日 | 映画(は行)
 先日、音楽バトルムービーのセッションを観たが、あの映画からパッと頭の中に浮かんだのが今回紹介する映画バード
 セッションの中で、たびたびジャズの天才の代名詞で使われていたのがチャーリー・パーカー。それまでのマンネリ化しつつあったジャズに革命をもたらしたサックス奏者として現在でも人気の高いミュージシャンだが、そんな彼の伝記映画だ。
 ちなみにタイトル名のバード(Bird)は鳥の意味だが、チャーリー・パーカーの愛称として、今日においてもその呼び方が定着している。

 モダン・ジャズの原型となるビー・バップの創始者であるチャーリー・パーカー。彼の偉大な生涯を2時間半を超えるロングドライブで描いた映画だ、と言うのは半分ぐらいは嘘。
 正直なところ観ていて彼の偉大さなんか全く俺には伝わってこなかったし、それどころか麻薬、アルコール漬けで、だらしないダメダメな男にしか見えなかった。

 さて、ジャズ好きな人ならば誰でも知っているチャーリー・パーカー。なぜ、彼は天才と呼ばれたのかが理解できる?ストーリーの紹介を。
 1954年、娘を亡くしたショックから自殺を図ったチャーリー・パーカーことバード(フォレスト・ウィティカー)。入院先の精神科の病院で自らの半生が走馬灯のように脳裏を横切る。バードが16歳の時に見たヘロイン中毒で遺体となってしまった父の姿。そしてコンテストの最中に下手くそだったためにシンバルをブーメランのように投げられたことを。
 1943年、ニューヨークのクラブでデイジー・ガレスビーサミュエル・E・ライト)と組んでビー・バップの創始者として売れ出した頃、彼はダンサーだったチャン(ダイアン・ヴェノーラ)と出会い、結婚し二人の娘を儲ける。
 やがて彼らは活動の場をニューヨークから西部へ拡げていこうとするが、彼らの音楽は西部の人からは侵略者とののしられ失敗に終わる。それ以降、バードのアルコールの量は更に増えていくのだった。
 その後、ニューヨークに戻ってのジャズクラブのバードランドの開店、アメリカ南部での旅巡業、パリでのコンサートを成功させていくのだが、良い時期は長く続かない。麻薬捜査官の手が彼の周辺に伸びてきて、冒頭の方で描かれたように娘を亡くし自殺未遂を起こしてしまう。
 音楽でしか生きることが出来ないバードは再起を誓うが、既に彼の身体はボロボロで・・・

 2時間半を超える長い時間をかけているだけに、バードの多くのナンバーが豪快に挿入され、聴くことができる。本作の監督であるクリント・イーストウッドはジャズ好きなだけあって、演奏シーンにかなり力が入っているのがわかる。
 そして麻薬、アルコールがバードの音楽的才能を覚醒させ、女性の存在が彼の才能を磨き続ける。この辺りの展開は、なぜか説得力がありすぎだ。
 そして、クリント・イーストウッド監督らしくラストを観ている者に余韻が残るように締める。バードの死亡年齢は34歳。年齢だけを考えると若過ぎる死だが、本当に彼の人生は短かったのだろうか!?彼の死体状況は観ている我々に何を問いかける?。
 セッションは観たが本作をまだ観ていない人、チャーリー・パーカーの演奏するジャズ音楽が好きな人、クリント・イーストウッド監督作品は好きな人、自分のことを天才だと思っている人等に今回はバードをお勧め映画として挙げておこう

バード [DVD]
フォレスト・ウィテカー,ダイアン・ベノラ
ワーナー・ホーム・ビデオ


 監督は前述しているようにクリント・イーストウッド。元々は荒野の用心棒ダーティー・ハリーといったアクション俳優として売れ出したが、今や映画監督としてすっかり巨匠としての座を得た感がある。
 前述したようにジャズ好きなだけあって本作以外にも音楽関連の映画にも傑作を遺しているが、そちらの方のお勧めとしてセンチメンタル・アドベンチャージャージー・ボーイズを挙げておこう。 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする