この世の中、誘拐事件が全くもって後を絶たないが、もし娘を持つ父親にとってそれが現実として起きてしまったら、その時父親はどのような行動に出るだろう。
俺がそんな場面に出くわしてしまったら、きっとアタフタするだけで、ひたすら「娘が無事に帰ってきますように」と手を合わせて祈り続けるか!?
誘拐事件をテーマにしたサスペンス映画なんかは掃いて捨てるほどあるが、今回紹介する映画プリズナーズは娘を誘拐された父親の行動に対して、そのモラルの是非を問いかける。
大事な娘を誘拐されたんだから、あらゆる手段を使ってでも娘を取り返すのは父親として当然の責務だろうと思えたりするが、本作におけるヒュー・ジャックマン演じる熱すぎるお父さんの行動は観ている誰もが、次第にこれは法的にも道義的にもアウトだろうと思えてくるのだが・・・。
さて、父親のモラルを問いかけるだけでなくサスペンス映画の醍醐味であるスリル、衝撃度、よく練られた展開においても非常に優秀なストーリーの紹介を。
敬虔なキリスト教徒であるケラー・ドーヴァ(ヒュー・ジャックマン)は妻と息子と娘を連れて近所の友人のフランクリン(テレンス・ハワード)家で感謝祭パーティーを行っていた。その最中にケラーとフランクリンの両家の幼い娘が一緒に外へ出かけるが、何時まで経っても帰ってこない。
この事件を担当するロキ刑事(ジェイク・ギレンホール)は失踪現場とみられるところに止まっていた不審者であるRV車を発見。乗っていたアレックス(ポール・ダノ)と言う青年を捕まえて尋問するが、彼は10歳程度の知能しか持っていなかった。止む無く証拠不十分でアレックスは釈放されてしまうのだが、アレックスの言動をつぶさに見ていたケラーは彼が娘を誘拐したことを確信しており、警察が証拠不十分ですぐに釈放したことに怒り心頭。
ケラーは逆にアレックスを拉致監禁して、顔が変わるほどの拷問を加えて娘たちの居場所を聞き出そうとするのだが・・・
ケラーは日頃から防災意識が高く、その意識付けを息子にもしっかり教えているのだが、そんな父親でもアッサリと娘の誘拐事件に巻き込まれてしまう展開にいきなりショックを受ける。しかも、いつ何時もお祈りを欠かさないように篤いクリスチャン。それなのに神にまで見放されてしまったのかと思うとダブルでショックを受けてしまう。
次第に観ている我々も、きっとこれは幼い娘たちは助からないな~と思わせるような演出がされており絶望感が満載。しかし、娘を取り戻したいお父さんのケラーだけは違った。いささか理性が崩壊してしまっているが、父親の娘に対する愛情は凄いし、強烈な信仰心からくる行動は絶対に娘を生きて帰って来させるんだとういう執念を感じさせる。
このようなお父さんを見せられたら、今後は父の日に見てほしい映画としてこれからは本作を挙げざるを得ない。
そして本作は日本人には苦手な宗教が重要な要素になっている。本来なら宗教は人間を癒す役割を果たすはずなのだが、本作は宗教に裏切られた感のある人間達が多く登場する。しかし、俺に言わせれば宗教に頼り切っているのがダメ。だいたいよく「世界が平和になりますように」なんて祈っている人を見かけるが、はっきり言って祈っているだけでは永遠に世界に平和はやってこない。祈った後に必ず具体的な形として実行しないとダメだ。また神様は実行力のある人間を愛しているのは、ちょっと聖書をかじって読んでみればすぐわかる。
そういう意味では本作のお父さんなんかは、俺から見れば宗教との付き合い方は大変好ましく思える。確かに度が超えてしまっているが、この世の中は法やモラルだけでは解決できない問題はたくさんあるだろう。
しかし、事件の真相は意外性があって驚きに満ちているし、緊迫感を煽る演出は楽しいし、そしてホイッスルが巧みに活かされたラストシーンは本当に素晴らしい。
また、キリスト教に詳しいだけでなく北欧神話に詳しい人が見るとロキ刑事という名前から色々と想像できることがあり楽しめるだろう。2時間半の長い時間が少々ネックだが、それでも決してダレルことは全くない。何だかまだまだ良い所を紹介しきれなかった気もするが、今回は映画プリズナーズをお勧め映画として挙げておこう
監督はカナダの俊英ドゥニ・ヴィルヌーヴ。この人の映画は今までに灼熱の魂、複製された男、ボーダーラインと観てますが、どれもお勧め。ラストシーンがどれも印象的です。
俺がそんな場面に出くわしてしまったら、きっとアタフタするだけで、ひたすら「娘が無事に帰ってきますように」と手を合わせて祈り続けるか!?
誘拐事件をテーマにしたサスペンス映画なんかは掃いて捨てるほどあるが、今回紹介する映画プリズナーズは娘を誘拐された父親の行動に対して、そのモラルの是非を問いかける。
大事な娘を誘拐されたんだから、あらゆる手段を使ってでも娘を取り返すのは父親として当然の責務だろうと思えたりするが、本作におけるヒュー・ジャックマン演じる熱すぎるお父さんの行動は観ている誰もが、次第にこれは法的にも道義的にもアウトだろうと思えてくるのだが・・・。
さて、父親のモラルを問いかけるだけでなくサスペンス映画の醍醐味であるスリル、衝撃度、よく練られた展開においても非常に優秀なストーリーの紹介を。
敬虔なキリスト教徒であるケラー・ドーヴァ(ヒュー・ジャックマン)は妻と息子と娘を連れて近所の友人のフランクリン(テレンス・ハワード)家で感謝祭パーティーを行っていた。その最中にケラーとフランクリンの両家の幼い娘が一緒に外へ出かけるが、何時まで経っても帰ってこない。
この事件を担当するロキ刑事(ジェイク・ギレンホール)は失踪現場とみられるところに止まっていた不審者であるRV車を発見。乗っていたアレックス(ポール・ダノ)と言う青年を捕まえて尋問するが、彼は10歳程度の知能しか持っていなかった。止む無く証拠不十分でアレックスは釈放されてしまうのだが、アレックスの言動をつぶさに見ていたケラーは彼が娘を誘拐したことを確信しており、警察が証拠不十分ですぐに釈放したことに怒り心頭。
ケラーは逆にアレックスを拉致監禁して、顔が変わるほどの拷問を加えて娘たちの居場所を聞き出そうとするのだが・・・
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ケラーは日頃から防災意識が高く、その意識付けを息子にもしっかり教えているのだが、そんな父親でもアッサリと娘の誘拐事件に巻き込まれてしまう展開にいきなりショックを受ける。しかも、いつ何時もお祈りを欠かさないように篤いクリスチャン。それなのに神にまで見放されてしまったのかと思うとダブルでショックを受けてしまう。
次第に観ている我々も、きっとこれは幼い娘たちは助からないな~と思わせるような演出がされており絶望感が満載。しかし、娘を取り戻したいお父さんのケラーだけは違った。いささか理性が崩壊してしまっているが、父親の娘に対する愛情は凄いし、強烈な信仰心からくる行動は絶対に娘を生きて帰って来させるんだとういう執念を感じさせる。
このようなお父さんを見せられたら、今後は父の日に見てほしい映画としてこれからは本作を挙げざるを得ない。
そして本作は日本人には苦手な宗教が重要な要素になっている。本来なら宗教は人間を癒す役割を果たすはずなのだが、本作は宗教に裏切られた感のある人間達が多く登場する。しかし、俺に言わせれば宗教に頼り切っているのがダメ。だいたいよく「世界が平和になりますように」なんて祈っている人を見かけるが、はっきり言って祈っているだけでは永遠に世界に平和はやってこない。祈った後に必ず具体的な形として実行しないとダメだ。また神様は実行力のある人間を愛しているのは、ちょっと聖書をかじって読んでみればすぐわかる。
そういう意味では本作のお父さんなんかは、俺から見れば宗教との付き合い方は大変好ましく思える。確かに度が超えてしまっているが、この世の中は法やモラルだけでは解決できない問題はたくさんあるだろう。
しかし、事件の真相は意外性があって驚きに満ちているし、緊迫感を煽る演出は楽しいし、そしてホイッスルが巧みに活かされたラストシーンは本当に素晴らしい。
また、キリスト教に詳しいだけでなく北欧神話に詳しい人が見るとロキ刑事という名前から色々と想像できることがあり楽しめるだろう。2時間半の長い時間が少々ネックだが、それでも決してダレルことは全くない。何だかまだまだ良い所を紹介しきれなかった気もするが、今回は映画プリズナーズをお勧め映画として挙げておこう
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ヒュー・ジャックマン,ジェイク・ギレンホール,ポール・ダノ,ヴィオラ・デイヴィス,マリア・ベロ | |
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監督はカナダの俊英ドゥニ・ヴィルヌーヴ。この人の映画は今までに灼熱の魂、複製された男、ボーダーラインと観てますが、どれもお勧め。ラストシーンがどれも印象的です。