褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ワイルド・ギース(1978) 三代目ジェームズ・ボンドが出演しています

2017年05月30日 | 映画(わ行)
 先日007シリーズの三代目ジェームズ・ボンド役で知られるロジャー・ムーアが亡くなった。実は俺にとってジェームズ・ボンドと言えばショーン・コネリーよりもロジャー・ムーアの方が印象に残っている。
 彼の007シリーズ以外で出演していた映画で個人的にお勧めしたい映画が今回紹介するワイルド・ギース傭兵達を描いた軍事アクション映画であるが、そんな中でもロジャー・ムーアがジェームズ・ボンド役で見せた飄々としたユーモアセンスを本作でも発揮している。

 傭兵と言えば自分自身の理想とする国家感、愛国心などは持っておらず、金を出してくれる国家や組織のために戦争や紛争に参加しているのが俺なりのイメージ。大した志も持たずに、ただ金が欲しいために戦場へ向かう彼らはクズ同然に思えたりするが、本作でも金で動く傭兵たちの姿が描かれている。
 一瞬、金に欲がくらんだダメダメな奴らを見ていると、傭兵なんかやらずにもっと真面に働いて金を稼げよと言いたくなったが、考えて見ればこの世の中において社会に出ても浮かばれない人間なんかたくさん居るし、頑張っても頑張っても報われない人間が多い。戦場でしか生きることができないブキッチョな人間だっているのだ。本作の傭兵達にはイケメンなんかは出てこないし、老人ばかり出ている印象すらあるが、男が自分の命を張って戦う姿はブサイクでも格好良い、と言うことを本作を観れば多くの人が気づくはずだ。

 さて、軍事アクション映画であるが傭兵の悲哀、人間の絆を感じさせる人間ドラマとしても優れているストーリーの紹介を。
 元傭兵として世界各地を転戦していたフォークナー(リチャード・バートン)の元にでかい仕事が舞い込んできた。大富豪家であるマターソン卿(スチュワート・グレンジャー)からの依頼であり、その内容はアフリカの某国の前大統領で、クーデターで囚われの身となっているリンバニ(ウィンストン・ヌショナ)を救出すること。
 すっかり大金に目がくらんだフォークナーはかつての傭兵仲間であるレイファー(リチャード・ハリス)やショーン(ロジャー・ムーア)を仲間に加え、さらに募集した傭兵部隊50人を訓練し、リンバニ救出作戦を実行する。
 作戦は観ている方が拍子抜けするぐらいに簡単にリンバニを救出することに成功するのだが、その直後にマターソン卿が裏切る。フォークナー達は地獄の修羅場を経験することになり次第に犠牲者も増えいき・・・

 前半の仲間集めのシーンがなかなか楽しい。特にフォークナー(リチャード・バートン)とレイファー(リチャード・ハリス)のやり取りが、戦闘シーンやラストシーンで効いてくるのだ。
 もっと笑えるのが訓練のシーン。部下が上司に汚い言葉を浴びせたり、短時間の割に寄せ集めの連中が一人前になっていたりで笑えた。
 かんじんの戦闘シーンだが、迫力のある場面は確かにある。しかし、生きるか死ぬかの場面における男同士の真の友情を感じさせる場面に俺の心は震えた。とにかくピンチに陥ってからは熱いシーンの連発。もうここまでくると軍事アクション映画ではなく、人間ドラマの極致を見せてもらった気分になった。
 傭兵が大国や巨大組織に利用される様子は悲哀を感じさせるし、金さえあれば何でもできると思っている傲慢な奴らに天誅を加えるシーンなんかはスッキリする。そして最後のセリフ「お父さんの話をしよう』。大人の男って格好良い~。
 決してロジャー・ムーアが死んだからではなく、とにかく男同士の友情に熱くなれる映画として今回はワイルド・ギースをお勧めとして挙げておこう

ワイルド・ギース [DVD]
レジナルド・ローズ
東北新社



 

 
 


 

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