息子の中学校の教科書を読んでいたら、
横光利一さんが書かれた「蠅」という文に目が行った。
あらすじは多くの横光ファンがご存知のとうりですが
若い息子たちの教科書に出ていたことが
クス、、、と笑えた。
紳士の乗った馬車が
崖下に落ちてしまうのですが、
馬車にとまっていた蠅が
まるで何事もなかったように
馬車から離れて飛んでゆく、、、
たったこれだけと言ってしまえばそれまでですが、
横光利一さんという作家は
現代の作家の
説明や描写や状況づくり過多という
余計な設定が無い。
ストーリーの面白さに
無理が無いと言えば良いのかな??
理屈や説得力にあまり関係が無い面白さだと思いませんか?
よくある、、、当たり前の、、、状況を述べてくれている。
読み手が気が付かなければ
何を言わんとしてるのかな?、、、と。
何でもないと思える文章の中に
笑いが止まらなくなるような笑いがある。
笑いの神髄のような、、、笑いを感じてしまう。
トカゲのしっぽ切りの
ミステリーめいた殺人とかではなくて
無理な創作がないのに、、、傑作だと笑えてくる。
とにかく、、、おかしい、、、笑えるのです。
読み終わったとき、
蠅は自分ではなかろうか?、、、などと
思い当たる過去のラッキーなことなどと
重ね合わせて
笑って過ごすのでした。
私の中の笑いとは
声を出して笑うというより
おかしいのである。
おかしくて、、、おかしくて、、、。
他人が視たら、、、思い出し笑いの
けったいなお婆さんが
一人で笑っているのです。
想像してみてください
おかしいでしょう、、、笑い(^^