朝からの雨に、気持ちがゆったりする。然し、頭の痛さが取れないので、肩が凝って、息苦しい。肩に手を置くと、ほっとする。これでは仕事ができないので、離すと扁桃痛が襲われる。背中も張ってくる。はり灸さんに行きたいが、少し遠いのだ。
きっと寒いのも原因であろう。帰宅して、枇杷葉の生葉を採り、冷蔵庫に入れていたのを、肩に貼る。気持ちが好い。左側の歯痛もあり、気分が滅入る。奇跡的な往復であったので、これくらいは仕方ないと思い祈る。枇杷種のお蔭と感謝する。
雨に濡れた庭に、枇杷葉が立っている。その木立の枝から、得も云われぬ匂いが漂う。体にエネルギーを溜めるように、ゆっくりと重なる。その薄いベールを手にすると、まるでそれが当たり前のように漂う。毎年この時期、やさしい想いに浸る。
山羊を飼って、野菜を作り、農薬を使わないで、果物を実らせる。栴檀の樹の下に、それらが育つのが願いでもある。数人での暮らしでも、贅沢をしなくても、できることをやりたいものだ。蕎麦の花が咲き、麦が寒さに耐え、収穫できればいいね。
先祖がしてきたことの実践を、この手で繋げていきたい。風に耳を澄ませ、雲の様を見て、星の位置を知り、自然を敬える暮らしには、厳しいものが待っているだろう。だが、寒い時期の生活や、暑い頃の過ごし方を学べる。祈りの世界でもある。
枇杷葉の力を、エネルギーを分けてもらって、つくづくと考えないではいられない。感謝以外の何物でもない。小さな宇宙を見つけることも、其処を覗いて観ることもできる。知恵と勇気と、諦めない生き方をしたい。大いなる宇宙の狭間を漂っている。
葉っぱ無くなったよ。とても綺麗な揚羽蝶だった。黒いドレスに、青い波が流れていた。また橙色の裾模様も。