旧暦を知っているのと、無関心なのとでは、季節感が全く違う。携帯電話でも面倒くさいのに、小さな画面に釘付けになるなど、とてものことに考えられない。初夏の風を受けたり、空気の爽やかさを吸い込み佇むこともない。甍の波、風薫る。
栄華と滅亡は紙一重。豊臣秀頼の文化的な政治力では、日本の国は成り立たなかった。徳川家康には、自分の地位を安泰にするために、目障りな存在であったのだろう。江戸に幕府を開こうと、構想を練り上げてた家康の着眼点は凄い。
安土桃山時代は、季節的に田植えが始まってなく、そういった蓄えを考えに入れての宣戦布告だ。雨に祟られても困るし、比較的天気の続く頃を選んでいる。野外での決戦になれば、皆樹の陰や、岩場で仮眠を取ることも多くあっただろう。
夜間は流石に寒いが、凍える程ではなく、日中も炎天下という訳でもない。徳川家康には勝算の想いが強かったとも言えよう。然し、豊臣には、青天の霹靂。暑くもなく、寒くもないこの時期にこそ、遊べるという考えで、戦など寝耳に水だった。
薬草の類も、この時期には至る所に生えていたし、冬の時期に収穫していた物もある。家康は薬草マニアで、手ずから栽培していたことでも有名だ。むろんのこと、枇杷葉も植えていただろう。その効能にも詳しかったと思える。準備万端整う。
枇杷湯で温まって、布団に潜るが、足先が冷たく感じることがある。梅雨時期には小さめの湯たんぽがいいかもしれない。枇杷葉温圧療法で、体の機能回復が著しい。矢張り、冷やすのは良くないし、冷たい物は飲まないでおくのが肝心だろう。
ここ数日間、天気が下り坂で宇宙が観えない。金星と木星が並んで観えるのが残念だ。夏の星座が上がっており、蠍の姿が一際目立っている。獅子の大鎌も寝そべる。北斗七星が、北の宇宙にかかる。毛皮がそろそろ暑いだろうな、と思える。
枇杷は九年で生り亘る。と言うが、白枇杷は、その時期を待っていたように苞が付いた。枝に3つだったのが、今年は鈴生り。