光瀬龍作の、百億の昼と千億の夜とを、勤めていた本屋で見つけ買った。哲学的な要素が多大にあり、難解な箇所も多い。そこに出て来る阿修羅に、強く惹かれたのは、仏界に帰依したとあるからで、疑問が膨れ上がった。奈良に通うこと夥しく、魅了されてしまった。三面六臂の顔の複雑さ。
興福寺は、橘の三千代の健立とあり、藤原不比等の愛人でもある。絶大な権力を持ち、君臨した者に庇護されるのではなく、地位と権利を主張し、太っ腹な人物でもあったようだ。奈良時代には、正式な妻の外に、大勢の愛人が居ても、却って位が上がった向きがある。長岡良子のコミック必読。
阿修羅像は、国宝館にある。橘三千代の娘は、聖武天皇の后で、光明皇后である。枇杷葉との拘わりは、大勢の皮膚病患者を施薬堂に容れて、様々な薬草を敷き、その上に身体を横たえた者に、下から蒸したように治療をしたことで知られる。民間から初めて皇后となった。藤原不比等の、絶大権力。
阿修羅も、鬼子母神にも、そこに至るまでの心情が複雑で、言葉を超えた生きざまに惹かれる。時空を翔け、帝釈天との戦いに明け暮れる。お釈迦さまが悟りを啓き、ユダが裏切りながら、キリストの復活を促す。萩尾望都著のコミックも、壮大なスケールで描かれており一考あり。歴史は愉しい。
イギリスの前は、イングランドと呼ばれていた時代。ヘンリー8世の世では、世継ぎが産まれないばかりに、陰謀が渦巻く。アン・ブーリンは、1000日のアンのタイトルだったり、ブーリン家の姉妹として記録が残っている。何れにしても、長期に亘って統治した、エリザベスは1世は二人の娘だ。
世界史も日本史も、関心があれば楽しくなる。歴史の授業は、教える側が熟知していることにも由ろうが、自分がここに居る理由でもある。命は繰り返され、繋がっていくのだ。考え方に依っては、不思議でならない史実でもある。そうしてみれば、この時代を生きていること自体が凄い。素晴らしい。
今日から4連勤である。暑さが和らいできたと喜んでいたら、湿気の多い不安定な天気である。台風が19号、20号と続いて暴れこんで来た。このシーズンの特徴でもあるが、大きな被害にならないことを祈るばかり。原発炉が壊れませんように。放射線の流出がありませんように。安心も安全も野放し。
昨年の長崎茂木。生り年だったので、枝が萎れないかと思うくらい下がった。たわわに熟れた。