お寺の思い出
JR中央線には高円寺、吉祥寺、国分寺と寺の名が付く駅があるが、吉祥寺だけが同じ名の付くお寺が無い。
何故なのか?簡単に言うと、吉祥寺と云うお寺は紆余曲折があり、元々今の水道橋近くにあった。
1657年に明暦の大火(振袖火事)で類焼、本駒込に移築された。
寺は本駒込に移ったが焼け出された門前町の人たちは住む所が無くなり、寺町を離れ、現在の武蔵野市に移り住んだ。
以前住んでいた吉祥寺門前町が忘れられずこの武蔵野の地を吉祥寺と名付けた。
そのために吉祥寺と云う寺は存在しないと云われている。
月窓禅寺。
子供の頃は木造の質素な門構えの寺だったが、今はこのような立派な門構えになっている。
月窓禅寺の丁度後ろ側に当たる所、井の頭通りに面して蓮乗寺がある。
この寺の門構えは昔と変わらず質素なものだ。
本堂前に大銀杏の木がある。
私が小学校5年生頃(1941年)には、お菓子屋さんや駄菓子屋さんから菓子の類が消えかけていた。
秋になると学校帰りに遠回りをして、この蓮乗寺の銀杏になる銀杏の実を拾いに寄ったものだ。
学帽の中にあの匂いが強烈な実を入れて家に持ち帰り、中身を取り出して干し、後日それを炒っておやつ代わりにしたものだ。
この蓮乗寺と月窓禅寺は毎月4の付く日と8の付く日が縁日で、朝から夜10時頃まで屋台が出て賑わった。
例によってこの日は母にねだって小使いをせびったものだ。
確か月窓禅寺が4の付く日で、蓮乗寺が8の付く日だったと記憶している。
八幡神社近くに安養寺と云う寺があり、蓮乗寺、月窓禅寺の3寺が吉祥寺駅を中心に南北に広大な土地を所有していると言われていた。
私の友人宅の土地も月窓禅寺からの借地だった。
八幡様と、この3寺は子供の頃の遊び場だった。
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