たまには食い意地から離れて、もうひとつのテーマを書かねばいけません。拙者、ウェスタンスイングと並んで、カウボーイソングというのが好きざんす。
最も早く耳にしたカウボーイソングは、ラジオから流れてきたジーン・オートリーの歌声でした。彼のベストヒット、Back In The Saddle Again は今も我が愛唱歌のひとつです。
Gene Autry(1907~1998) テキサス州ティオガ生まれ。電信技士として働き、ダンスパーティーで歌ったりしていた頃、ウィル・ロジャースに見出された。ウィルはカウボーイスタイルで売ったボードヴィリアンで、のちにコラムニストとしても一世を風靡した人物。彼を題材にしたミュージカル「ウイル・ロジャース・フォーリーズ」はブロードウエイで観ている。
1930年代、ラジオの時代に注目を集め、ローカルからハリウッドへ。B級映画だが、銀幕へと躍り出たジーン。
Singing Cowboy!敵をやっつけては馬にまたがり、揚々と歌い上げた。日本でいうとまさに歌う時代劇スター、高田幸吉!大江戸出世小唄というところだ。♪えぇ~しょんがいな…
Home On The Range (峠の我が家)
Mexcali Rose
South Of Bordar
Deep In The Heart Of Texas and many more !!
僕の好きな Someday You'll Want Me To Want Youも
彼の持ち歌。
同じ歌う西部劇スターでも、テックス・リッターやロイ・ロジャースと異なり、男性的な包容力ある声で朗々と歌い上げるタイプ。そのオールドファッションなスタイルが心地よい。
他には一連のクリスマスソングのヒットがある。
赤鼻のトナカイ、サンタが街にやってくる、フロスティ・ザ・スノーマン。ぼちぼち、カフェや商店街で耳にする頃だ。
特に赤鼻…は1949年のビルボード1位で200万枚売り上げている。並の歌うカウボーイでないのはお分かりだろう。
野球ファンならジーン・オートリー球場の名前は耳にしたことがあるかもしれぬ。1961年からロサンジェルス・エンジェルスの初代オーナーとなり、彼の死まで続き、現在、アナハイム・エンジェルスと球団名が変わるも、26番はよき理解者ジーンを讃えて、永久欠番となっている。スケールのでかいスターだった。
すっかり西部劇も作られなくなったアメリカ映画だが、サルーンで喧嘩騒ぎが起きたり、美人で鉄火肌な姐さんがいたり、寅さんみたいなお約束が楽しかった。地平線を望む大平原を馬で疾走したりするさまは、胸のすく思いがしたもんだ。
今は先住民を悪者に仕立てることもできず、作りようが難しいのだろうけど。
ともあれ今宵は、古き良き時代の歌手、ジーンオートリーの歌でもいかがだろうか。押入れの奥からチューニングの狂ったギター引っ張り出してきて歌うのにも丁度いい。シンプルな彼の歌には、やはり、バーボンをストレートでクィッ…コホン…などとやるのがよろしかろう。
西部劇ってゆーからには、テキサス、ワイオミング、コロラド、ニューメキシコあたりまで来ないと西部開拓って感じがしませんよね。
当時、テキサスにバーボンがあるわけは無く、ガンマンがショットグラスで飲んでたのは地元のコーンウィスキーというが正解のようでありんす。
粗製酒だから、煽るように飲まないと喉を通らんわけよね。
アメリカのウイスキー製造が始まったころはまだトウモロコシの栽培が追い付いていなかったようなので、ライウイスキーいうこともありますわな。