いやはや、しばらくの放置プレイ…お許しあれ。
ここはミナミ、南地と呼ばれ、大人が遊ぶ町もすっかり様変わりしてしまった。
道頓堀など、目をつむり耳を押さえて歩きたいようなありさまとなっている。
こちら心斎橋に近い、周防町。 景気のいい時分、ヨーロッパ通りなどと言われた。
ここ「乃呂」は昭和33年開店。 筆者とほぼ同い年。
この夜は友人の娘の入学祝でやってきた。
大衆洋食にあらず。値段を下げればもっと客は押し寄せるだろうが、
そこはそれ。値段によってお客を選んでいるきらいがあり、それはそれで見識である。
さてポタージュスープから。 胃の腑が温まると、猛烈に食欲が湧いてくる。
沸き立ったソースのまま供されるハンバーグステーキ。 たぶん1890円
リング型にして真ん中に生卵をポトリ。
濃厚なデミグラスソースに黄身が合わさって、何をかいわんや。
ビーツカツレツ ¥3150 これは酸味と甘みのあるトマトソースであっさりと。
関西はカツレツといえばビーフ、東京も洋食のそもそもはビーフカツだったが、
すっかりポークカツにお株を奪われている。
若者諸君、ビフカツを見直そうではないか。
野菜サラダ¥1500ぐらい? 洋食屋のサラダは高いと思う。
サラダが今みたいに当たり前になる以前だから、無理もないのであるが、
洋食屋全般、特にオールドファッションな店に限って、サラダ高い傾向がある。
その辺は柔軟に変えてもらいたい。
牛肉の網焼き ¥3150たぶん
独自の和風タレで焼いた、焼肉風。
いろいろ食べ尽くした人がちょっと色変わりのメニューが欲しくて、
そんな常連のために先代主人が出した。
我々俗な人間にはめしが欲しくなっていけない。
タンシチュー¥3150
え~い、ご飯をもらってソースも食べ尽くしたのだ。
カニピラフ カニの身がどっちゃり!
こっちは断ち落としのビーフが入ったドライカレー うまし。
こういうお漬物もきちんと出すあたり、やっぱり日本の洋食だなぁ。
かつて高校入学時、銀行勤めの年上のオネーサンに、周防町の洋食店でご馳走してもらった。
そうして、ぐるっと回って、私がやる番である。
正確には、私と友人の二人で。
こうして美味しいもので祝ってくれたことは、たぶん一生涯記憶に残る。
ボクみたいにクチ卑しい人間は尚更。
そうしてまた、その子がいつか何処かの若造を連れて、
そうした「美味しい思い出」をお裾分けしてくれる日が来たら、そんな嬉しいことはない。
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