北九州伯林的管弦楽団! Das Orchester in Kitakyushu wie Berliner Philharmoniker
知る人ぞ知る、北九州伯林的管弦楽団様による令和最初の演奏会です! 毎回、クスッと笑えるプログラムノート、今年も
実は演奏会当日まで、指揮者は誰か? 曲目は?
「ご来場の際のお楽しみに~」ということでしょう。一般には伏せられており、会場にてプログラムノートを頂いた際、真っ先に知りたいことでした!
雨で洗濯物が乾かないだの、暖房入れて出かける前に乾かせば良かろうもんだのと、バタバタしていた為、母娘揃って出かける準備に多少時間を要しました。 今回は結構、ギリギリの会場入りです。開演10分前、私達が会場の外を歩いていると、一台のタクシーがすーっと入ってきました。ドアが開き、ゆっくりとタクシーから降りられたのは、お上品な老夫婦。あと10年?20年?したら私達も… ほんの一瞬、未来の自分の姿が見えました。響ホールは駅から歩くにはちょっと遠いからなぁ。特に足元に気をつけなきゃいけない日は…
着席して一息、表紙のローマ字が目に飛び込んできました。
NOBUAKI NAKATA
ほら!見てみて!と母に表紙を見せ、
「やっほ~い! 指揮者は(スメタナトークの…)あの中田氏よ!」
久しぶりだねぇ。黒崎ひびしんホール以来。夏の終わりに鹿児島へ行けなかったからなぁ。良かったねぇ。また北九州へ来てくれて。エトセトラエトセトラ…
母は分かっているのかと思いきや、私のお喋りの最後の方になって、「あ、昨年の人と違うね。指揮者は皆、中(漢字)という字だからねぇ」
みんな、中という字が…って確か、昨年も同じことを言ってたよね。中田氏、中西氏、昨年の中井氏。あ、そっか。表紙はドイツ語で書かれてあるから、お母さんには読めなかったのかぁ~ (私も分かるのはローマ字の名前だけだけど)
表紙を捲り、プロフィールを読んで母は理解したようでした、はい。
昨年の曲目はブルックナー。北九州伯林的管弦楽団! Das Orchester in Kitakyushu wie Berliner Philharmonikerなんと今年もブルックナーです。ただ、昨年は(リンク先を読んで頂ければ分かりますが)交響曲 第7番 ホ長調 ハース校訂版でしたが、今年度は 第9番 ニ短調WAB109 (L.ノヴァ―ク校訂版)です。交響曲9番を作曲中、午後のティータイムという時刻に亡くなってしまったブルックナー。(詳細はプログラムノートをご参照ください)未完成でこの世を去るとは、さぞかし心残りだったことでしょう。彼の死後、弟子達によりまとめられた楽譜がいくつかある内、今回は.L.ノヴァ―ク校訂版を観賞しました。
同じ曲なのに、楽譜が幾通りかある!というだけでも混乱しそうです。どう違うのか、素人の自分には全く分かりません。そもそも昨年は7番、今回は9番ですし… 難しく考えないで、楽しみに聴こうと思った所で、開演のお知らせがあり、指揮者である中田氏登場!
今回、演奏された演目2作品内、最初に演奏されたのは、シューベルト 交響曲 第7番 ロ短調 D759 ⦅未完成》
第一楽章と第二楽章 (未完の為、第三、第四楽章は無し!)
いつ、何処で?と聞かれると困るものの、何処かで聴いたことがあります。中田氏が指揮棒で合図をして下さるため、どの楽器がより重要なのか分かりやすくて良かった~全く弾けないにもかかわらず、まるで自分がコントラバス🎻になったような気分でした。何故かコントラバス奏者のお一人と、演奏中、ほぼ目が合っていたからです! 遥か昔、市民会館に人気絶頂だったドリフターズが来た際、会場全体に向かって
「おっす!」
といういかりや長介さんが、
「自分に向かって、おっす!って言ったんだよ! 私に言ったんだよ!」
と、大興奮で喋った時、以来の感覚でした~
曲の出だしは特に、コントラバスが主役な気がしました。普段、コントラバスは 「ボン…ボン…ボンボンボン」という音のイメージでしたが、コントラバスって、縁の下の力持ちだけじゃないんだ…と新たな発見も。(特にブルックナー)
15分の休憩を挟んで2つ目は、ブルックナー。こちらは最終楽章無し。
プログラムノートには、
「昨年の演奏会においてブルックナーの…を演奏した我々は、3歩進めば記憶をなくす鶏同様、全くその苦労を忘れ、性懲りもなく第9番に臨みます。理由は第7番は演奏時間が長過ぎて、お客様に生理的欲求に対する我慢を強いてしまったからです。…。(途中、略。鑑賞放棄の退室タイム?(ヾノ・∀・`)ナイナイ)もしもと言う事もありますので、ご用は済まされておくことをお勧めします」
とありましたが、休憩時間はプログラムノートで楽しくお勉強タイム
昨年のノートにも記載がありましたが、ブルックナーは40歳を過ぎてから本格的に交響曲を書き始めたそう。すでにパイプ・オルガン奏者として名声を手にしていたのだとか。現在のように人生100年時代であれば、70歳くらいで新たな領域に足を踏み入れるといったところでしょうか。シューベルトも師事したゼヒター等、本格的に学び、鳴かず飛ばずの時を経て、60歳で交響曲第7番が大ヒットしたのだそうです。苦労人ですね…
ブルックナーの演奏は、昨年の続きを聴いているようともいえますが、演奏直後に母が漏らした言葉を借りるなら、
「指揮者で全然違って聴こえるね!」
とても ひとことで言い表せないですが、敢えて言うなら、「宇宙」
violinやviolaや第二violinやcontrabassの激しい動きや管楽器の情熱的な演奏で、いきなり宇宙へ飛ばされたような衝撃を感じます。しかも宇宙服も着用せず。目を閉じようものならブラックホールへ吸い込まれてしまいます。実際、2度ほど、気が遠くなりました。そうかと思えば、弦をはじくような、ちょっと可愛らしい旋律も。ウルトラマンにも心の平安が訪れる時があるってことでしょうか。再び曲調が激しくなって、Star Warsの世界かな??と錯覚しそうになったり。響ホールなだけに、我々が宇宙の真ん中に放り出され、ぐるっと大音響に囲まれているかのよう。生演奏って大迫力!
。。。
中田氏の指揮棒がピッと止まった時、ずらっと並んだviolinを始めとする演奏者の弦も我々の呼吸もピタッと止まり… 一瞬、金縛りにあったかと思いました。
帰宅の途について想い返し、そういえば…
中田氏の指揮棒が魔法の杖のようにピタッと止まり、演奏者の動きも止まり、我々も停止状態。で、杖が静かに下へ降りた際、一瞬、石になっていた我々の魔法も溶けて、再び呼吸を始める。そんな感覚。ハッとして、拍手~
「メリハリがある指揮だねぇ。それに誘発されるように演奏してる人達がこれまで以上に必死って感じ」と母が言うのと、
2階席から「bravo~ ブラボー ブラボー!!! いいぞ~!」
と聴こえてきたのが ほぼ同時でした。
特に第三楽章が終わった後。これまで以上に元気な ブラボー!
アンコール曲の後には、思わず2階席を見上げてしまいました。指揮者の中田氏も笑顔。会場からも笑いが。
ブラボーおじさん、いや、お兄さんのお蔭で曇り空も吹き飛びました。
(福岡ドームで、「いいぞ~ 内川、役者じゃのぅ」とか言っていそうです)東北楽天イーグルスvs福岡ソフトバンクホークス (前記事の続きです)
今回は中田氏のトークは無いのかなぁ…と思っていたら、最後に新年のご挨拶。4年ぶりにお声も聞けて良かったです。 今年も素晴らしい演奏、ありがとうございました。
最近、PCの調子がイマイチでして、画像取り込みに時間がかかるため、日を改めてトライすることにします。
二日も経過してしまいましたが、本日、1月15日夜、画像追加致しましたっ!
未完成作品について~
文学界においては夏目漱石!を例として上げていらっしゃいますが、これについては更に続きの「おち」がございます。
また改めて書くことに致します。
こちらはブルックナーについて。
未完に終わった最後の2ページ、第二violinパートの楽譜だそうです↑↑ 楽譜は読める方だと思っていたものの、訳が分かりましぇん