以前、ブックカバー・チャレンジでも触れたことがありますが、米国の女流作家、オルコットは、自分が小学校6年生だった頃、最も好きな作家でした。赤い表紙のハードカバー製本で、割と小さな活字でした。10代前半のティーンを対象とした本で、今思うと原作に近い分量で世界の名作を読むことが出来ました。当時のクラスメイトの中に、自分と同じくらいの読書家が二人いたことも幸いし、お互い市内の図書館で借りた本を読み終えると回したりして、感想を述べあったりしていました。(ただ、二人は歴史には余り興味がなく、社会科の課題だった歴史ノートも、それぞれ私に「面倒くさい」「イラストが上手な人が得をする!(教師から高い評価が貰えるという意味)」と言っておりましたが…男子の方が話が合いました。歴史に関しては…)
あの、懐かしいオルコットの小説の中でも、私が特に影響を受けた、『若草物語』が新訳で(2017年初版)図書館に並べられているのを発見☆ 光文社の新訳古典文庫シリーズで、以前、ディケンズの『クリスマスキャロル』を読んだことがあり、とても読みやすかったことを思い出し、その場で先月、借りてきました。(12冊中の1冊)現在も続々とこのシリーズで新刊を出しているようです。ヘミングウェイやアガサ・クリスティーまであります!ウェルズの『タイムマシン』なんて耳にしたことはあるものの、読んだことがありません。ドラエモンの机の引き出しを思い出してしまう私ですが、当時のタイムマシン…どのようなものなのか、ちょっと興味あり。読みたい本はまだまだ沢山あります。時間が…!
前置きが長くなりましたが、若草物語は職場へ持ち込み、お弁当を食べた後の昼休みを利用して読み終えました。毎日、40分前後… 570ページを6日間かけて… お洒落でちょっと自尊心が強い長女メグ、活発で男の子のような次女、ジョー(考え方はジョーに最も近いかも)、引っ込み思案でピアノが大好きなベス、(小学生の頃はべスと自分を重ねていました)、いかにも末っ子らしい、ちょっと我儘で甘えん坊なエイミー。4姉妹のクリスマスから翌年のクリスマスを迎えるまで~ 彼女たちの一年間の成長物語を描いたストーリーは、そのまま自分達の生活にまで影響を及ぼした気がします。 男尊女卑が当たり前だった時代に、ジョーの行動、考え方は、南北戦争時代を生きていた当時の少女たちにとって、どれだけ衝撃的だったことでしょうね。小学校低学年で、母から与えられた『アンクル・トム』や偉人の本、『リンカーン』を先に読んでいた自分には、11歳~12歳なりに黒人奴隷についても、この『若草物語』の時代背景もそれなりに理解していたつもりでした。今回、改めてオルコットがこの本を通し、その後の世界にどれだけの影響力を及ぼしたか… 日本ではまだまだ女性議員も社長も世界標準と比較するとかなり低いのですが… 何より女性の”意識”を変化させたのではないか、と思います。
作者のオルコットはジョーに最も近かったと思いますが、女性は結婚し、夫に尽くしてこそ最大の幸福を得られるという考え方が主流だった時代に生涯独身を通したという。(ジョーの台詞の通り、「結婚しなくてもいいじゃない」)
「私は結婚しない」と盛んに言っていた私に、祖母は、
「そんなことをいう子に限って、さっさと結婚するもんよ。見ててごらん。すずちゃんが結婚したら、おばあちゃんは、真っ先に 「結婚しないんじゃなかったの?」と言ってあげるから!」
と言ったものでした。(そんなことは無いもんねぇ~👌(≧◇≦))と思っていた私。ほんとは祖母としては、そんな子供の発言通りにならないことを期待していたのかもしれませんが… 孫の顔も見せられず、すまんかったわ~と天国で再会したら、声をかけるつもりです。
アンクル・トムで奴隷解放を学んだ私は、若草物語によって、男女共通、男にへりくだるのはおかしいのだ、という意識が芽生えた訳ですが、それ以上に影響されたのは、物事にどのように対処していくか、ということでした。
例えば年齢的にはエイミーやベスに近かった私は、学校でクラスメイトに意地悪された、バカにされた、ハメられた、等々で悩み、時には教師にも酷い体罰を受けた等で「学校へ行きたくない」エイミーやベスの心情に頷き、共感したものでした。彼女達の変化に姉妹や母親が気付き、話を聞きます。傷ついた娘に母は何と答えたか… 当時としては考えられないことでしたが、
「あなたが学校の規則を守らなかったことは悪い。しかし、もっと良い方法で教師はそのことを諭すことが出来た筈だ。教師の体罰は間違っている。そんな理不尽な扱いを受けるのであれば、学校へ行かず、自宅で姉たちに聞いて勉強しなさい」
この考え方が、その後の自分のベースになっていたことは、間違いなく… 当時の言葉でいえば登校拒否(今でいうひきこもり?)ということになるのですが、当時は義務教育である小中学校へ行くことは絶対!で、親は引っ張ってでも我が子を学校へ通わせるのが当然だ!という考え方が主流でした。
当時の自分とマーチ婦人(4姉妹の母)の考えがピッタリ一緒だったことに、一種の興奮を覚えたものです。さぼりで行きたくない、ではありませんよー 理不尽なことは…子供の世界にも常々あります。教師がいつも正しい訳ではありません。あの頃のあれは、今ならパワハラ、セクハラ、体罰で訴えられるよなぁと思うものが多いです。 まさか、今のような、(NHK土曜ドラマ『ピアノマン』のテーマでもありますが)
ドラマでは「あなたは洗脳されている! そんな会社、辞めるべきだ! このままでは会社に殺される!」という台詞が度々登場します。学校も職場も唯一の居場所じゃない、理不尽なことから命を守り、逃げていい! そんな意識を 何よりも早く 自分の中に植え付けた物語が『若草物語』だったのかもしれません。
「気分が悪い、吐きそう」という小5の私を無理矢理学校へ登校させ、その後、何度も嘔吐し、保健室の先生に早退するよう助言された時を思い出しながら読んだんだった~ このシーン!
…とまぁ、細かい記憶まで見事に思い出しましたよー。
あの頃、あの事件の頃、母は本当に自分のことを想っているのか、何故、体調が悪いと訴える自分を信じてくれないのか…と思ったものです。 マーチ婦人は理想の母であり、自分の意見を大人も恐れずはっきり言うジョーは憧れのティーンでした。母の名誉のために付け足すと、「気分が悪い」が嘔吐するほどとは思わなかった!そうです。
当時も今も、感心しながら読んだ箇所は…例えば、かんしゃくを起こす点が自分の欠点だと悟っているジョーは、自分を戒め、反省し、また短気な性格が出て… また反省し…
お互いの姉妹や家族を想いやり…
近所のローリー少年と金持ち、貧乏、そんなことは気にせず、また男女関係なく良好な関係を築き…
『あしながおじさん』の次に好きな物語だったかもしれませんね。
感受性豊かで、どんどん成長していく姉妹たちの物語を少しずつ読みながら、すでに失われた『素直な心』『純粋さ』『感受性』をそれこそ思い出した次第です。まるで時代があの日、あの頃に戻ったかのように。
コチコチに凝り固まった心を 優しくほぐしてくれた一冊でした💗
My way
fumiel-shimaさんに贈って頂いた曲集から~
とても有名なMy Way 日本では布施明さん等、多くの方が歌っていますし、小学校の音楽の教科書にも掲載されていました。【当時】
自分が信じた道を… 我が道を行く… ちょっぴり大人に近付く時期に聴いていた曲です。
若草物語に登場する四姉妹も、モデルとなった、オルコットの姉妹達も、それぞれの道を歩んだようですね。(巻末には彼女達、家族の年表がありました)
例え、カタツムリのような、ゆ~っくりとした歩みでも…My Way!
そして~
昨日は母の誕生日でした~ 私からのプレゼントは、バースデーケーキ🎂
石村萬盛堂にて、ホールのケーキを買うことが出来ました👍
(父の誕生日の時は予約制ということで、長方形のケーキ2つでしたっけ)
仕事帰りで、ショートケーキを6つ買って帰るつもりでしたが、ホールが目に留まったので♪
昨日、今日と二日かけて、皆で美味しく頂きました。(≧◇≦)