日々のあれこれ

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正妻 ~慶喜と美賀子~ 著:林真理子 

2021-02-27 00:13:15 | 読書

NHK大河ドラマ、『晴天を衝け』主人公、渋沢栄一と徳川最後の将軍、慶喜が出会うシーンを見たばかり。

図書館にて、林真理子さんの本一覧を眺めていると、『正妻』(上)(下))を発見!

慶喜と美賀子、という副題を見て、迷わず借りてきました。

そういえば、慶喜の正妻って、誰だっけ? 幕末の大奥といえば、篤姫と和宮が真っ先に浮かびます。

私が日本を離れている間に、元シブガキ隊のもっくんが、慶喜を演じたらしいですが…?

なにせ見ていないので… そんな正妻が主人公の林真理子の歴史本!

これは読まなきゃ~ しかも、『西郷どん』と同じ時代ですもんね。

実際、西郷吉之助、という名は何度か登場します。薩摩の芋侍が最近江戸に多い、いう表現も。(苦笑)

正妻となる公家の娘、延(のぶ)と、妾となる江戸の火消しやの娘、芳(よし)

二人の女性の目を通して(三人称で)描かれる慶喜や周辺の男たちですから。

大奥にも入らなかった正妻、美賀子が吉之助と実際に対面するシーンはありません。

『西郷どん』を読み終えた直後だったので、ちょっとは期待しましたが…

 

一般的な慶喜像、そのまんま👀

のらりくらりと、何を考えているのか分からない慶喜の姿が、林真理子氏の手によって、面白可笑しく描かれています。

200年続いた徳川幕府の終焉…そう、あの大阪から船で”逃げた将軍” 

ここが詳しく描かれており、最大の見せ場です!

涙無しには読めません!

笑い過ぎてお腹が痛くなりそうでした!

悲壮感なんて、まるで無く、騙されたように連れてこられた、現場で指揮する立場のお偉いさんたち、約10名と妾の芳と、その父親。

この場に女を連れ込むか… 多くの味方を戦場に残したままであったのに…と。

そりゃ、憤慨しますわよねぇ。

しかも夜中に抜け出したから、とはいえ、乗り込む船を間違えるだなんて!

開陽丸ではなく、アメリカの軍艦ですよ!

「コレハ アメリカノフネ、イロクォイ ト イイマス」

ですって。片言日本語で。

「カイヨウマル ハ モット オク トオク」

笑ってしまいました…

こうしてアメリカの軍艦で一晩過ごし…スプーンで食べる食事やふかふかの布団とベットに大喜びし…

「布団は鳥の羽か~」と。

私も、綿布団から羽毛布団に変わった時は慶喜と同じ感動を味わいはしましたが…?

「これが将軍か…」と妾の芳だって、そりゃ呆れかえるわ…戦いの最中だっただけに…と可笑しすぎて涙目。

翌日、乗り込んだ開陽丸では冷たくあしらわれるのですが、それでも雑炊を美味じゃ~と喜び…将軍って雑炊は食べないのですね、普段。庶民の味がかえって新鮮なのでしょう。

そんな慶喜、大奥に「布団を貸してくれ」と使いを出すも、

「予備はない」と断られるのですね。

そこで正妻に布団を用意するよう依頼してくるわけですが、「大奥に予備が無い訳がない。意地悪されていることにも気付かないなんて…」と正妻にも呆れられ…

二人の女性がご対面するシーンもありますよ。

大河では、元SMAPのつよぽんが演じておりますが…

逃亡シーンもここまで詳しくは描かれないとしても、大河でも登場するかなぁ。

何はともあれ、面白かったです。

実際、笑いながら読む幕末の話って、初めてでした!

Comments (18)
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