ピアニスト、岬洋介が高校生の時のお話。
今回は単行本だったので、父である岬検事が主人公のスピンオフ作品も収録されており、
「岬くんが大変だった時期、岬パパはパパで、大変だったんだな…」と思ったり。
1冊で2度楽しめます。
これまでのシリーズの中で、最も考えさせられる部分が多かった気がします。
「うんうん、分かるわかる… 選ばれし才能に対する嫉妬心、やっかみ、その他諸々…」
努力する者は報われるというけれど、凡人が多くの努力で到達した地点を、少しの努力で、ひょいっ!と飛び越えてしまうことだってある。それを目の当たりにして、阿保らしくなって、努力しない自分を正当化したりして。結局、何者にもなれないことを自分以外のものに責任転嫁する。 或いは、物語のように 才能ある岬くんが さも悪いかのように「いじめ」という卑怯な手を使って貶める。
でもね… 物心ついた頃から、ただ、ピアニストになるのが当然の夢のように努力してきている。天才が努力してこそ到達出来る、「見える景色」ってあるんだろうなぁ。
ただ、法曹界でも才能を発揮するように、(他の本でね…最終的にはピアニストになる道を選ぶのだけれど)
何をやらせても「才能ある人」ってたまにいることは、いる。
飽きっぽい私には、「継続すること。努力し続けることが出来ることも才能の一つ」だと思う。
小説の中の”事件”については、一切、触れてはおりませんので~
岬くんの転校先【音楽コース】のクラスメイトの目を通して語られる、高校時代の岬洋介。
SONGSで語っていた山崎育三郎さんの高校留学時代の話と重なる部分もあり、考えさせられました。
小さな努力を 少しの進歩を 人前で発表する勇気を 決して馬鹿にしないで 素直に褒める~ことが出来る人
そんな人に 私はなりたい~ (最後は宮沢賢治っぽくなってしまった…💦)