桜は、枝いっぱいに咲くのもすばらしいけれど、
根元付近でひっそり咲く『ひこばえ』も、また味わい深く。
家内が手に入れたばかりのスマホで撮影した写真を一枚。
“こんなところから、こんなに可愛い花をつけるのか!”
毎年これを見ると、生命力の凄さを感じます。
うろ覚えながら、“孫なんとか”と呼んでいたようで、ついつい自分の孫と重ねて見ていました。
正確にはどんな漢字をあてるのか、あまり深く考えることなく、七十数年。
そこで調べてみました。
WIKIなどなどによると『櫱』、「孫生」と書き、「余蘖」と同意義とも。
電子辞書では、“ひこ”と入力したところで、その一つに“孫”という字がでてきます。
孫の字は“ひこ”とも呼ぶようで、
孫生は、まごばえではなく、“ひこばえ”と呼ぶのが正しいようです。
普通の桜は大きく枝一杯に咲くのと比べ、こちらは小ぶりに咲くから孫と呼ばれているとも。
桜だけでなく草木一般で用いられているようです。
また、刈り取った根株から芽を出させてふやす栽培法の一つだとも。
ただ、上のような肯定的というか素直な解釈だけではないような・・・。
枝に咲くのが主流だとすれば、根元のこちらは傍流のようで、
例えば、殿様が侍女に産ませた子とかなどの意味もあるとか。
また上述の「余蘖」(よげつ)のように、余りもの、余計なもののニュアンスの意もあるらしい。
同じ桜の木に咲くのにそんなに差別をしなくてもよかろうにと思ったり、
いやいやそれ故にその個性や強さがあるのだと思ったり・・・。
『ひこばえ』は低い位置で咲くため、人の目には、枝先のそれより先に入ってきます。
来年もこの「孫」の訪れを待ちましょう。