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徒然草の序段です。(約30㎝×60㎝)
つれづれなる ままに日くらし 硯にむ(牟)かひて
心に(耳)移りゆく よし無し事を
そ(曽)こ(許)は(者)かとな(那)く(具) か(駕)きつ(徒)くれば
あやしうこそ ものぐるほし け(介)れ
書道教室の仲間の方から「杉岡華邨」先生のことを教えられました。
急ぎ通販で杉岡先生の教本を取り寄せました。
先生の教本には、かって拙ブログでもとりあげさせていただいた高木厚人先生と同じ趣旨のことが。
それもそのはず、杉岡先生は高木先生の更に師に当たられる方でした。
お二人が強調されている内容(その一端でしょうが)は、
全体としての立体感、奥行感、統一感、
具体的には、文字や文字群の大小・広狭・密度、墨の渇潤・濃淡、それに余白の重要性や行・文字群の流れなどです。
その杉岡先生の教本に刺激され、と言っては不遜に過ぎますが、吉田兼好の「徒然草」に挑戦してみました。
最初の構図から行の配列や一字々々の選択まで一応自分なりの創作です。
大きくは三つの集団に分けました。
最初の3行は、入りですので、淡々と、
中央の4行は、主題なので強調してやや太く濃く、
最後の3行は、“物狂ほ(お)し”に着目し、行を反らせてみたりしてみました。
教本にあった文字や文字群の大小等々の着眼点は、全てとはいきませんが一応意を用いながら書いてみました。
最も気を使ったのは全体の構図(行の配列など)と各行の流れでしょうか。
最初のデザインとして、コピー用紙に鉛筆書きで何枚も書きました。
そんな記念の一作であります。
ところで徒然草は243段からなり、人生の格言が散りばめられています。
書きたいことが一杯あって“物狂ほ(お)し”くなる兼好法師。
書けなくて気がおかしくなる自分。
やはり天才は違うようです。
読むのに四苦八苦している自分ですが、サラサラと流れるようにしかもバランス良く書かれていると思います。各行の先頭を追ってみると何となく強調点が見えて来そうです。