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10/16の日曜日、快晴の秋晴れに恵まれたが近場の紅葉狩りには一寸
時期が早いので午後から高崎・井出町「かみつけの里」で毎年催される
「王の儀式」の見物に出かけた。
今年は行事のナレーションを拾った動画を撮ることに専念の積り。
現地に着くと既に博物館駐車場は満車で少し離れた遊休畑地に設けられた
臨時駐車場に誘導される。
こんな案内に従って公園内を横断して会場へ
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会場も観客が一杯、用意されたパイプ椅子席には空きは無し。仕方なく
前方に潜り込んで主宰側カメラマンの横に座らせてもらい、開始を待った。
既に多くの資料で解説されている事を繋ぎながら再録するとこんな事になる。
「三世紀の頃、高度な農業技術を持った大集団が東海地方から海路で東京湾に上陸、
利根川を遡上して高崎周辺の低湿地帯に至り、その灌漑技術によって現地の
弥生人たちが為し得なかった湿地の水田化を実現した。不毛の地が「毛野」に
変貌した瞬間である。彼らの頭領たる王はその死後、高崎・元島名町の
「将軍塚古墳(県内最古)」に葬られた。それが四世紀の事。
「群馬は海に無縁」ではなくこの様に1700年も前から群馬の物流・情報は
遥か大海に繋がっていたのである。
そして五世紀の後半、榛名山東南麓を開発する豪族が活躍。彼らは周到な計画を以って
渡来人を多数招聘して先進技術を導入、農業・馬生産・手工業を興す。その大王たちは
井出から保渡田に至る古墳群に眠っている。従ってこの地域では先進文明国の技術集団の
末裔達が多く住むと言われる。
だがこの地域はその絶頂期の五世紀末に火砕流を伴う第一回の榛名山大爆発に
見舞われる。火砕流は広範囲の森林・耕地・村々を焼き払い、せき止められた自然ダムが
決壊して土石流が山麓を埋め尽くした。六世紀中期には第二回の爆発で大量の
軽石が山麓に数メートルも降り積もる。そして、高崎に文明を開いたこれら豪族達は
古墳を残して忽然と消息を絶つ」
今日の「王の儀式」の主役は五世紀に活動したこの先人たちであり二子山古墳→
八幡塚古墳→薬師塚古墳の順で相次いで建設し、この地に有力な豪族がいたことを
現代に伝えた。その名は上毛野氏の同族の「車持氏」。
だが、二度に亘る榛名山大噴火の後、1500年後の2012年11月、群馬県埋蔵文化財
調査事業団の発掘調査によって発見され、その全容が確認されるまでこの豪族の痕跡は
永く眠り続けた。
八幡塚古墳
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二子山古墳
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定刻のpm.1.00になると主催者側の学芸員が「王の儀式」に纏わる解説を
判り易く丁寧に観衆に伝える。
やがて「二子山古墳」を乗り越えて再現劇の行列が会場に到着して儀式が始まる。
そこで今日の役どころの紹介。(記述内容はパンフレットからの転載)
「伴(とも)」
王の従者と農民たち。左端の伴の長は長袖上着で髪型は「下げ美豆良(みずら)」。
その他のものは「貫頭衣」で髪型は耳の横で束ねる「上げ美豆良」。
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盾持ち人
古墳の周囲に立つ「盾持ち人埴輪」からのイメージ。盾の三角紋や怖い顔の
お面で魔物の進入を退ける役割を持つ。
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力士
農耕儀礼ですもうを取る。力強く四股を踏むことで大地の魔物を追い出し
豊穣を祈願する役割。
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狩人
神聖な猪狩りを行う。保渡田遺跡埴輪がモデル。犬が追い詰めた猪を
狩人が射抜き捧げる。
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武人
当時の文明の象徴・鉄製の鎧と冑を着用した武人。戦いの儀礼を行い
負けた方が刀を折って大王に服属を誓う。
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采女(うねめ)
族長の娘たちから選ばれて王に仕える女性たち。巫女に次ぐ高い地位。
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巫女(みこ)
神に仕え、神の言葉を王に伝える身分の高い女性で座る位置も王の脇。
髪型は巫女埴輪の「つぶし島田」で首飾り・耳飾りなど華麗な装い。
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渡来人・百済手伎(くだらのてひと)
王の招きに応じて朝鮮半島から来た技術者。倭人とは異なる筒袖の服を
着ており今回は絹布を王に献上する。
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王族
王の一族。王の一族の由来を述べて忠誠を誓う儀式を行う。
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ヤマトの使い
ヤマト朝廷から派遣された使者。舶来の鏡を持参し王に献上する。
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王・車持君(くるまもちのきみ)
三つ寺遺跡に居住し八幡塚古墳を築城した王。榛名山麓に水田を開発し
渡来人の技術者を呼び寄せ産業の振興に尽くした開明の大王。
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人物紹介が終わるといよいよ再現劇の始まり
(動画を途中で止めるには画面左下の縦二本棒をクリック、終わってから
もう一度見るには終了後の画面左下の繰り返しマークをクリック)
水とりの儀
みずとり
農耕儀礼1 すまいの儀
すまい2
農耕儀礼2 田の舞い
田の舞い
農耕儀礼3 猪狩りの儀
猪狩り
服属儀礼1 祝言(のりごと)の儀
祝言
服属儀礼2 太刀合わせの儀
太刀
献上儀礼1 渡来人による絹布の献上
渡来人の絹献上
献上儀礼2 ヤマトからの鏡の献上
やまと鏡
ここで第一幕は終了し、王の掛け声で古墳での祭りに移る。
隊列を組んで八幡塚古墳に移動
移動
途中には古墳からの出土品のレプリカが並ぶ。
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古墳上に整列
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古墳での祭り1 榛名の神(いかほのかみ)への祈り
(動画を途中で止めるには画面左下の縦二本棒をクリック、終わってから
もう一度見るには終了後の画面左下の繰り返しマークをクリック)
伊香保の神への祈り
古墳での祭り2 祖霊への祈り
祖霊への祈り
古墳での祭り3 民への祝言・国誉めの儀
民への祝言
以上で全てを終了。
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1みずとり
2すまい2
3田の舞い
4猪狩り
5祝言
6太刀
7渡来人の絹献上
8やまと鏡
9移動
91伊香保の神
92祖霊への祈り
93民への祝言
時期が早いので午後から高崎・井出町「かみつけの里」で毎年催される
「王の儀式」の見物に出かけた。
今年は行事のナレーションを拾った動画を撮ることに専念の積り。
現地に着くと既に博物館駐車場は満車で少し離れた遊休畑地に設けられた
臨時駐車場に誘導される。
こんな案内に従って公園内を横断して会場へ
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会場も観客が一杯、用意されたパイプ椅子席には空きは無し。仕方なく
前方に潜り込んで主宰側カメラマンの横に座らせてもらい、開始を待った。
既に多くの資料で解説されている事を繋ぎながら再録するとこんな事になる。
「三世紀の頃、高度な農業技術を持った大集団が東海地方から海路で東京湾に上陸、
利根川を遡上して高崎周辺の低湿地帯に至り、その灌漑技術によって現地の
弥生人たちが為し得なかった湿地の水田化を実現した。不毛の地が「毛野」に
変貌した瞬間である。彼らの頭領たる王はその死後、高崎・元島名町の
「将軍塚古墳(県内最古)」に葬られた。それが四世紀の事。
「群馬は海に無縁」ではなくこの様に1700年も前から群馬の物流・情報は
遥か大海に繋がっていたのである。
そして五世紀の後半、榛名山東南麓を開発する豪族が活躍。彼らは周到な計画を以って
渡来人を多数招聘して先進技術を導入、農業・馬生産・手工業を興す。その大王たちは
井出から保渡田に至る古墳群に眠っている。従ってこの地域では先進文明国の技術集団の
末裔達が多く住むと言われる。
だがこの地域はその絶頂期の五世紀末に火砕流を伴う第一回の榛名山大爆発に
見舞われる。火砕流は広範囲の森林・耕地・村々を焼き払い、せき止められた自然ダムが
決壊して土石流が山麓を埋め尽くした。六世紀中期には第二回の爆発で大量の
軽石が山麓に数メートルも降り積もる。そして、高崎に文明を開いたこれら豪族達は
古墳を残して忽然と消息を絶つ」
今日の「王の儀式」の主役は五世紀に活動したこの先人たちであり二子山古墳→
八幡塚古墳→薬師塚古墳の順で相次いで建設し、この地に有力な豪族がいたことを
現代に伝えた。その名は上毛野氏の同族の「車持氏」。
だが、二度に亘る榛名山大噴火の後、1500年後の2012年11月、群馬県埋蔵文化財
調査事業団の発掘調査によって発見され、その全容が確認されるまでこの豪族の痕跡は
永く眠り続けた。
八幡塚古墳
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二子山古墳
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定刻のpm.1.00になると主催者側の学芸員が「王の儀式」に纏わる解説を
判り易く丁寧に観衆に伝える。
やがて「二子山古墳」を乗り越えて再現劇の行列が会場に到着して儀式が始まる。
そこで今日の役どころの紹介。(記述内容はパンフレットからの転載)
「伴(とも)」
王の従者と農民たち。左端の伴の長は長袖上着で髪型は「下げ美豆良(みずら)」。
その他のものは「貫頭衣」で髪型は耳の横で束ねる「上げ美豆良」。
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盾持ち人
古墳の周囲に立つ「盾持ち人埴輪」からのイメージ。盾の三角紋や怖い顔の
お面で魔物の進入を退ける役割を持つ。
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力士
農耕儀礼ですもうを取る。力強く四股を踏むことで大地の魔物を追い出し
豊穣を祈願する役割。
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狩人
神聖な猪狩りを行う。保渡田遺跡埴輪がモデル。犬が追い詰めた猪を
狩人が射抜き捧げる。
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武人
当時の文明の象徴・鉄製の鎧と冑を着用した武人。戦いの儀礼を行い
負けた方が刀を折って大王に服属を誓う。
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采女(うねめ)
族長の娘たちから選ばれて王に仕える女性たち。巫女に次ぐ高い地位。
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巫女(みこ)
神に仕え、神の言葉を王に伝える身分の高い女性で座る位置も王の脇。
髪型は巫女埴輪の「つぶし島田」で首飾り・耳飾りなど華麗な装い。
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渡来人・百済手伎(くだらのてひと)
王の招きに応じて朝鮮半島から来た技術者。倭人とは異なる筒袖の服を
着ており今回は絹布を王に献上する。
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王族
王の一族。王の一族の由来を述べて忠誠を誓う儀式を行う。
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ヤマトの使い
ヤマト朝廷から派遣された使者。舶来の鏡を持参し王に献上する。
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王・車持君(くるまもちのきみ)
三つ寺遺跡に居住し八幡塚古墳を築城した王。榛名山麓に水田を開発し
渡来人の技術者を呼び寄せ産業の振興に尽くした開明の大王。
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(動画を途中で止めるには画面左下の縦二本棒をクリック、終わってから
もう一度見るには終了後の画面左下の繰り返しマークをクリック)
水とりの儀
みずとり
農耕儀礼1 すまいの儀
すまい2
農耕儀礼2 田の舞い
田の舞い
農耕儀礼3 猪狩りの儀
猪狩り
服属儀礼1 祝言(のりごと)の儀
祝言
服属儀礼2 太刀合わせの儀
太刀
献上儀礼1 渡来人による絹布の献上
渡来人の絹献上
献上儀礼2 ヤマトからの鏡の献上
やまと鏡
ここで第一幕は終了し、王の掛け声で古墳での祭りに移る。
隊列を組んで八幡塚古墳に移動
移動
途中には古墳からの出土品のレプリカが並ぶ。
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古墳上に整列
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古墳での祭り1 榛名の神(いかほのかみ)への祈り
(動画を途中で止めるには画面左下の縦二本棒をクリック、終わってから
もう一度見るには終了後の画面左下の繰り返しマークをクリック)
伊香保の神への祈り
古墳での祭り2 祖霊への祈り
祖霊への祈り
古墳での祭り3 民への祝言・国誉めの儀
民への祝言
以上で全てを終了。
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2すまい2
3田の舞い
4猪狩り
5祝言
6太刀
7渡来人の絹献上
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91伊香保の神
92祖霊への祈り
93民への祝言
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