滑落を見た仕舞った妙義「大の字」
18号線を西進して松井田バイパス辺りから妙義を眺めると白雲山の中腹に白く輝く「大の字」が見える。妙義三回目の今日の目的はこの「大の字」まで行く事だ。
妙義神社付近で駐車場を探すと、鳥居の先に町営無料駐車場があった。この大の字の由来には諸説あるようで、案内書には「昔の旅人の目印」「明魏大権現の大」「山の御神体」等と載っている。
正面の赤い大鳥居をくぐって土産物屋の並ぶ参道に入るといきなりの急坂で前途が思いやられる。随神門を経て短い石段を登ると右に「お水屋」があって今度は二百段もあろうかと見られる石段が待受け。これを敬遠して右手の女坂のような「脇参道」をゆっくり登り
裏の「北門」から妙義神社へ。最近化粧直ししたのか、社殿は妙に綺麗、流石の国重文と
感心する。この神社、宣化天皇の6世紀半ばの建立と言うから殆ど神話の世界だ。御神体も日本武尊・豊受大神・菅原道真他と多士済済。九世紀の道真も神話の人と一緒と言う事になる。
神社裏から大の字への道を辿ると登山者多数、競合するとペースが狂うのでどんどんパスして先に行ってもらう。1時間も登っただろうか、長い鎖場を漸くクリヤすると一寸した広場で多くの人がたむろしている。正面の大の字の岩頭が大入り満員で順番待ちなのである。頂上は余程景観が良いのか、登った人は中々降りてこない。漸く順番が来て、爺イも
恐々ながら鎖に取りつき、何とか頂上へ。狭い場所ではあるが、眺めには大満足。
但し高所恐怖症の傾向のある爺イは長居せず、岩を降った。鎖が数メートル間隔で岩に固定されているので持ち替えに苦労した。広場で昼食、相変わらず人が多くて順番に岩に取りつく人を見て、上手いとか、危ないとか賑やかに品評会だ。爺イが何と言われたか大体想像はつく。しらばっくれて爺イも一緒に囃し立てていると、周りで突然キャーと凄い声、一人が岩の上で滑って両手を広げたまま落ちてくる。周囲は異様な静けさに変わり皆、立ち上がったが、落下者は一度バウンドしたかと思ったら岩の下に叩きつけられ回転しながら崖を落ち、大木の幹に後頭部辺りを打ち付けて斜面に止まり動かなくなった。
周囲の反応は素早かった。数名の若者が「救急車」と叫びながらが崖下に突進した。何人もが一斉に携帯で連絡を始めた。後で聞いたら、この辺はヘリが富岡から来るので連絡に
戸惑ったそうである。大勢が崖に駆け寄って見守っているうちに、突然落下者が立ちあがり、救助の人の手を借りずに崖を登り出した。どうやらリュックのお蔭で頭は打っていない気配だ。その人は爺イより一寸若いくらいの中高年、顔面蒼白で周囲からの声に全く反応せずに、何を思ったか一人で呆気に取られる登山者に一言の挨拶もなく、神社への鎖場を下っていってしまった。救助に向った連中を始め心配した登山者たちから、ヘリも断らされて失礼な奴だと非難ごうごう。後はいかに妙義では滑落事故が多いかと言うベテラン氏の経験談を神妙に聞いた。
もう、奥の院まではという予定は止めて「辻」を通り二箇所の鎖場で若干ビビリながら
第1見晴らしで岩の上で写真を撮っただけで第二見晴らしにも行かずに妙義神社に向い、南門から神社境内にはいり、ヘリ摺った急な石段を下り、嫌な気分で駐車場に戻った。
大の字岩の登攀 滑落目撃現場
大の字を裏から
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