汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

火焔の華

2015年06月01日 | 妖艶の詩
冷たき頬に 流れる火焔の影 獲物を狙う瞳
色鮮やかに墜ちていく 奈落の底へと
輝く星を満天に散らせながら 身体は熱に蕩ける

愛おしい程に 求めている
狂おしく咲く 花のように錯綜する 迷宮への入り口を
あなたの口で塞いで欲しい
まだ見ぬ終焉は 何処までも昇天する あなたとの楽園

触れて欲しい 愛に火照るこの身体は
もう 何処にも帰れはしないから
ずっと 抱き締めて 満天の星空がいつしか
あなたとの接吻に 溶けてしまうまで

消えて行く 降り出した星空は 幾重もの夢の中へと
愛おしい すべてを胸の内に しまい込んだ
あなたは寂しそうに この穢れた瞳に 問い掛けている

鮮やかな薔薇が散る この手を離さないでと 怯え
見つめ合う最中 紅い花弁の散る火焔は揺れて
その儚い奈落の楽園を照らしている
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優しさを求める瞳

2015年05月30日 | 妖艶の詩
あなたの事が見えなくなってしまう程
この身体は熱くなって その優しさを求めるの
滑らすように 這わせる言葉に 身体を重ねる
いつまでもこの楽園にいて欲しい
あなたの魅惑の唇が この身を貫く時
身体の線が失くなる程に この心をきつく縛り挙げて

いつかこの居場所から 飛び立つ時が来るのなら
その手で この首を締めてほしい
意識の海底の 果ての無い 虚しさに
ねえ この身を 突き落として

もし願いが叶うのなら
いっそ この命が果ててしまっても良い
今こそ瞳を閉じれば 言い逃れの効かない
本当のあなたへと 落ちていけるのに

醒めない夢の中では いつまでも子供のままで
この手の温もりだけが 生きている証だった
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恋煩い

2015年03月08日 | 妖艶の詩
吹き抜ける 風の向こう
時の流れる 朝焼けの 空虚さに
入り込む 寂しさ

鮮やかなる 振り袖が 揺れる
その柔手のしなる 指先の蠱惑に
舞う枯れ葉が 紅く微睡む

見つめる瞳の優しさに 霞む面影
赤く染まる月の始まりは
恋煩う想いの表象
その柔手の伝える温もりと
掛け合う言葉の綾に
身体は 優しく火照り
微笑む 恥じらいの表情を 交わし合う

求めていた形の 想いの陰が過る
見つめ合い 交わす言葉の綾に 心は震え
何処までも沈んで行く 相対する感情の源へと
流れる時の 空隙に 差し込む
恋煩う涙の 覚束ない約束
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人形達の泣き声

2015年03月08日 | 妖艶の詩

静寂の中で 揺れている 影
壊さぬように 手を掛けた
息の根を 締め付ける 胡乱な瞳の誘惑

首元の綺麗な 筋に沿って 流れる血液
その冷たい表情に 映える幻惑の色は
呼応する 退廃の彩り

死臭の漂う 欲望の波に 心は乱される
見えない その手の鳴る方へ 導かれ
やがて我を見失う

動乱する鼓動に 意識は乱される
悲しみを詠った瞳の輝きは
形の失った人形達の 泣き声
蠢く無数の手は 魂の鼓動が干乾びるまで
この身体を掴んで離さない

微笑む顔に 切り刻まれる 傷は
血に飢えた 闇の妖艶なる 唇
艶かしい赤い血は 罪を繰り返す
生気を失い 眼を見開いたままで
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祭り囃子

2015年01月18日 | 妖艶の詩
さざめく風に 遊覧する 葉の薫り
季節の流れ 果てぬ夢の 繁る緑葉の影に
訪れし 未知の刻

色めく頬の柔肌 密やかなる 言葉を交わし
微睡む日がなの 刹那を 想い
まだ視ぬ開花を待ち臨む 瞬間を行き急ぐ
か弱く袖を引き 流れ行く時間の微睡みへと 落ちて行く

舞う花弁の 斑模様の色づく 琥珀の宙に浮かぶのは
恥ずかしく竦みながら 言葉を象る 朱い唇
それは鮮やかなる 想いの開花を 待ち侘びる 寂寞の色

幾重にも降り積もる 言葉を抱き締め
蠱惑に揺れる 手の温もりを 握り返した
瞳の妖艶なる 陰に 照らされ
火照る 花園の 華やぐ 囃子に踊る
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終わりの無い宴

2014年12月07日 | 妖艶の詩
揺れる時計の針
月光の滲む夜の宴
舞う枯れ葉のように 乱れる 人々の影

酌み交わされる 酒に
酔い痴れるがまま 我を忘れ
喧騒の鳴る 幻夢へと 堕ちて行く

色めく眼差しに 捕らえられた 心
深い海を漂うような 情動の中
動揺する瞳に ちらつく 薔薇の残骸は
焔に照らされて 赤く色付く 底無しの身体

交わされる杯の リズムに惑わされ
ぼやける思考回路
酔いが回り 人の影さえも 見え無くなり
陶酔した瞳に 悪魔が微笑む
融解して行く 現実の中で
僅かに分別の遺る この手に 刺さる薔薇の棘

重ね合う視線 昂なる鼓動
酌み交わす酒に 酔い痴れ 溺れる
今宵の宴は 終わることの無い 幻
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花の弔い

2014年10月04日 | 妖艶の詩

重なり合う手の 冷ややかな感触

触れ合う柔肌の 優しさに惑う瞳は 群青の揺蕩い

抱き締め 感情を探るように 見つめて

拡がる静寂の余波に 身体を任せたまま 湖底へと沈む 

それは 吹き込む 生命の息吹きを 馳せた 旋律

 

恥じるように 顔を覆う 花は

この世に 咲き誇ろうとする 寵愛の徴

 

動揺する身体 不規則な心を描く 接吻の跡

愛撫の最中 その胡乱に融ける 眼差しは 

昏迷の意識に 揺れ 夢と静寂の境を見失う

 

溢れる声 瞳は逸らさないまま 身体を包み込み 

寂しさから 護るように その優しい手で 涙を拭う

やがて 時は凪がれ

湧き出す 水流から薫る 冷たい憂鬱に 想いは沈み

瞳を強ばらせ 離れないように 手を強く握り締めた

 

交わし合う言葉と共に 深く堕ち 

意識は 波のように 揺れる

陶酔した 表情に 薔薇の花弁は 降り掛かる 

鮮やかに薫る 死の瞬間 

咲き誇る 花々の艶美なる 弔いの中で

小さく震える瞳は あなたの唇を求めた

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薔薇の死相

2014年10月02日 | 妖艶の詩

冷ややかな風に吹かれ 塞ぎ込む

静寂のなよやかな心地を 肌に透かして

沁み込む寒さを 感じる

 

反響する硝子 やがて崩れ落ちる 瞬間

映し出す この表情が 醜く歪む

 

引き裂かれた肉体の 生温い残熱が揺れて

あなたの唇が 誘惑の色に 染まる

淡い色情 微笑みが滲む せせらぐ時間の 悦びの瞬間に

散り行く薔薇の 鮮やかな死相を 彩る 

流されて行く 一切の言葉をも 呑み込む 欲望の華

 

その穢れた 愛故に やがて見失う

見境の無い欲求に まるで応えるように 唇を開いた

瑞々しく 腐食して行く 紅い果実

甘い別れを惜しむように

握り締められた 手は離さないまま 

瞳を伏せ 忘れ去られた 過去を 辿る指先

 

身体の稜線に沿って 眺める

動かないあなたは 静寂の彼方で 思惑の裡を廻り

繰り返される 罪を この身体に刻み付けた 

赤い約束に 翻弄され 何処までも 朽ちて行く

枯れた生命の 冷たく閉ざされた 過去を抱き締めて

胡乱に沈む瞳の 冷たく 底の無い海に 心は動乱したままで

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妖しき瞳

2014年08月24日 | 妖艶の詩

愛する悦びも 妖しい涙の 中で 融けて行く

雲間から射す 月明かり 

肌けて あらぬ姿のあなたは 微笑みの楽園

 

未知なる想いが 喉元を突き刺す 苦しみ

ままならぬ感情 色めく瞳の 情愛の徴

愚かに 手を伸ばして 張り裂ける 身体の奥底から

 

記憶が混迷に 沈む 夕間暮れの空

鮮やかな調べの流れる 唇は詠い あなたは嗤う

この身に染まる 業 醜い私の身体を どうか愛して

悲しげに瞬く 瞳が あなたの恋情をさらう

 

愛おしき ありのままの姿で 温もりに縋る 

この肉体の稜線に どれだけ罪が重なろうとも

過信に満ちた 愛は 融けはしない

 

あなたを見つめ 遣り場の無い愛おしさを 交わす

情愛は乱れ 妖しき瞳の 涙は 朧な視界に拡がる

何処までも 咲き乱れ 狂い惑う 吐息

 

あなたは 嗤い 何処までも深い誘惑に 誘う

 

 

 

 

 

 

 

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夢と現実は 見境を失う

2014年08月05日 | 妖艶の詩

無意識の奥底へと 沈む 傷痕を舐める 舌触り

強く抱き締め 諦めの無い闇の内側へと 流れる感情

消えて行く定めの 虚ろな眼差しに 夢と現実は 見境を失う

 

いつまでも 時の経つ度に 忘れ去られた 言葉を

過ちは繰り返し 傷つけ合う憎しみも 重ねる唇の優しさをも

一切の闇の流動へと 愛の裡に混ざり合う  

瞳の胡乱な寂しさ 身体を求め 慰撫し合う 荒廃した夜の雨に

 

流されて行く この身と共に朽ち果てる この運命の掟に

離さない あなたの残像 暮れ行く太陽 波打ち際に 寄せては返す記憶

せめぎ合う感情 意識は遠く歪み 交わした接吻に 生命は燃え上がる

 

いつまでも夢の続きを 愛らしい瞳の 零す涙

暗い胸の裡に 灯す恋情を 

    

 

 

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