重なり合う手の 冷ややかな感触
触れ合う柔肌の 優しさに惑う瞳は 群青の揺蕩い
抱き締め 感情を探るように 見つめて
拡がる静寂の余波に 身体を任せたまま 湖底へと沈む
それは 吹き込む 生命の息吹きを 馳せた 旋律
恥じるように 顔を覆う 花は
この世に 咲き誇ろうとする 寵愛の徴
動揺する身体 不規則な心を描く 接吻の跡
愛撫の最中 その胡乱に融ける 眼差しは
昏迷の意識に 揺れ 夢と静寂の境を見失う
溢れる声 瞳は逸らさないまま 身体を包み込み
寂しさから 護るように その優しい手で 涙を拭う
やがて 時は凪がれ
湧き出す 水流から薫る 冷たい憂鬱に 想いは沈み
瞳を強ばらせ 離れないように 手を強く握り締めた
交わし合う言葉と共に 深く堕ち
意識は 波のように 揺れる
陶酔した 表情に 薔薇の花弁は 降り掛かる
鮮やかに薫る 死の瞬間
咲き誇る 花々の艶美なる 弔いの中で
小さく震える瞳は あなたの唇を求めた