汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

はじめに ~言葉と次元の力学系へ~

2016年01月16日 | このブログについて

ただの文字が、意味を与えられた瞬間、紡がれし世界は胎動を始める 。

そのような言葉の発生を、あなたが持っておられる感受性で、どうか感じ取って欲しい。

そう、決して「理解」で、その生命の萌芽を摘んでしまわないように。

この作品に触れる事とは、あなたの感受性と、この紡がれし言葉とが感応する体験です。

あなたがこの作品と触れ合う事で得られるものは、まさしく言葉の世界と共鳴する歓びなのです。

しかし、ここに表現された世界に宿る言霊は、決して理解するものではない。

それは、言葉とあなたが「共鳴し合う」という事です。

そしてそのような現象は、表現されし生命の輝きを、より美しく彩るでしょう。

みやすけが描く言葉に、あなたの感受性が重なる時、

ここに想い描いた情景は、この既成の表現に収まらず、

さらにどこまでも、遥かにその次元を超えて行くものです。

言葉の感受性、それは空間や次元さえも超越して行く、不思議な力です。

しかし、このふれあいの最中に溢れ出す感情は、決して、具体的な形に出来なくても良い。

みやすけの言葉と、あなたの感受性とが呼応する、

ただその事実こそが、無数の出逢いを、そして世界を育んで行くのだと思っています。                    

                                                                                      筆者 みやすけ

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欠け行く月の徴

2016年01月16日 | 悲哀の詩
零れ落ちる涙が 闇に溶けて行く 寂れた感情が 夜風に燻る
響き渡る鐘の音 闇夜に反響する悲しみに 浮かぶ月の明かりは暗く鎮む
滴る水に映る表情 その胡乱なる瞳の色が 終焉を誘惑している

呼び寄せる 煩悶の眼差し 死の気配に色めく 暗黙の瞳
此処にはもはや 居場所は無い
鋭利に叫ぶ声が 凍り付いた水面に反響する
誰も居ない この場所で 息絶える事が ただ切なくて

恐くて泣いていた
静けさに満ちた 夜空に浮かぶ月の陰影が 茫漠と輝く刻
振り向きざまに 浮かんでいた あなたのその悲しそうに微笑む表情を見て
もう縋るものの無い 枯れた背中を 抱き締めていた

狂おしい程に 愛してる
悲しみに彩られた この手が 鋭利な刃で 赤い憂鬱に塗れる
此処にはもはや居場所など無い
今にも途切れそうな糸が この胸にわだかまる最中
淡く色付く 薔薇の花びらが 可憐に散り この首を重く締め付ける

やがて 憂いを象った唇が あなたの言葉を欲して 迫り行く
血に飢えたこの手が あなたの紅い唇を切り裂くまでは どうか消えないで
あなたの枯れた背中を抱き締める この腕が ただ切ないから

見つめていて 冷たく触れ合う肌は 欠け行く月の蒼白の徴
暗闇の中 振り向きざまに 微笑んでいた あなたの壊れた虚ろな瞳に
月の陰影が明滅しては 差し迫る
乾いた唇の 赤い眼をしたあなたは 一体誰
この鼓動が絶えるまでは 喉を切り裂くのを 止めないで
斬り刻む度に 嗤うあなたの手が 美しく歪み
噴き出す血が その手を深い赤に染めて行くのが とても悲しいから

逃れられない 闇の中を彷徨い 口づけはさらに重く重なる
此処には居場所など もはや存在しない
血に飢えて 熱く噴き出す声が あなたの微笑みを妖艶に呑み込む
それまでは その愛を どうか止めないで

あなたの声が欲しい
凍りついた水面が揺れて 響き渡る鐘の音が 闇夜に反響する
此処にはもはや居場所は無い
静けさに満ちた夜空 忍び寄る気配に怯えて あなたを探していた
月の陰影が明滅する最中 その静寂に映る表情が とても悲しかったから
どうかこの苦しみを あなたのその手で 殺めて欲しい
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