汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

まだその世界の始まりを知らない

2016年04月15日 | 奇想の詩
弾ける水 その一滴一滴の裡に煌めく宇宙の声が聴こえる
流れて行く 何もかもが美しい景色の最中に
その花の輪郭に揺らめいて 躍り出す
永遠と夢の間で 醜くく歪められた あなたの表情
それは花の陰に隠れて 誇らしげに微笑んだままの姿

壊れてしまう 心
握り返した手が冷たい
弾け飛ぶ水の一滴一滴に煌めく こちらを見て嗤う宇宙

堕ちて行く 何もかもが綺麗な身体のまま 死に絶えて
重ね合う唇が 鮮やかな景色の渦中で 霧消してしまう

この手は未だに 闇へと続く その終焉を知らない
塞いだ瞳の中を廻る 幽遠なる宇宙
そこではもう 安らぎは失われ 萎んでしまった

目紛しく呻き 騒めく意識 やがて咲き誇る花は息絶えて
流転する季節の 美しい憂愁の声に 呑み込まれてしまう

腐食した身体を抱き締めて 響き合う
心へと沁み渡る声に 幾重にも重なる 紅い唇の影
まるで胎内に居るかのような 幻想の果てに
腐敗したあなたに抱かれたまま 死に絶える

求め合う手 塞いだ瞳の中を廻る 愛煌めく宇宙の嗤い声
その影に蝕まれ 目紛しく流転する意識
交わし合う指に 塞ぎ込む瞳は
まだその世界の始まりを知らない
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