冷ややかな風に吹かれ 塞ぎ込む
静寂のなよやかな心地を 肌に透かして
沁み込む寒さを 感じる
反響する硝子 やがて崩れ落ちる 瞬間
映し出す この表情が 醜く歪む
引き裂かれた肉体の 生温い残熱が揺れて
あなたの唇が 誘惑の色に 染まる
淡い色情 微笑みが滲む せせらぐ時間の 悦びの瞬間に
散り行く薔薇の 鮮やかな死相を 彩る
流されて行く 一切の言葉をも 呑み込む 欲望の華
その穢れた 愛故に やがて見失う
見境の無い欲求に まるで応えるように 唇を開いた
瑞々しく 腐食して行く 紅い果実
甘い別れを惜しむように
握り締められた 手は離さないまま
瞳を伏せ 忘れ去られた 過去を 辿る指先
身体の稜線に沿って 眺める
動かないあなたは 静寂の彼方で 思惑の裡を廻り
繰り返される 罪を この身体に刻み付けた
赤い約束に 翻弄され 何処までも 朽ちて行く
枯れた生命の 冷たく閉ざされた 過去を抱き締めて
胡乱に沈む瞳の 冷たく 底の無い海に 心は動乱したままで
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