健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

サンゴの生態

2012-03-05 08:30:42 | 研究
栄養が貧困で「海の砂漠」とも呼ばれる熱帯や亜熱帯の海でサンゴが成長する仕組みが解明され、栄養の供給経路は水温の変化などに応じて主に2ルートあることが分かったそうです(毎日jp)。サンゴはクラゲやイソギンチャクと同じ仲間で、サンゴ礁を形成する種類は「造礁サンゴ」と呼ばれるそうです。共生する褐虫藻が光合成で作った栄養分や、触手が採取するプランクトンなどを餌にしていることは知られていたそうですが、生育域付近の海では生物が生きるのに必要な元素(栄養塩)が十分になく、褐虫藻やプランクトンがどこから栄養塩を取っているかを含め栄養の供給経路は長年の謎だったそうです。そこで、造礁サンゴの骨格には木の年輪のように成長時期の栄養状態が記録されることに注目し、石垣島と沖ノ鳥島で採取したサンゴ骨格に含まれる質量の異なる窒素(窒素同位体)の比率を分析したところ、水温が低い時期は栄養塩が豊富な深層水と、高水温期は表層水と窒素同位体の比率が近かったそうです。したがって、サンゴは低水温期や台風の時には深層水に由来する栄養塩を取り込み、高水温期には大気から窒素を取り込む細菌類から微量な栄養を得ていると考えられると考えられるそうです。また、石垣島のサンゴの分析では、河口に近いサンゴほど窒素が多く、人間生活の影響も確認されたそうです。

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