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豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

母親の子癇前症と子どもの自閉症リスク

2014-12-29 08:30:00 | 研究
妊娠中に子癇前症(しかんぜんしょう)と呼ばれる高血圧症を発症していた女性から生まれた子どもは、自閉症や他の発育遅延を起こすリスクが2倍になるとの研究論文が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究には、妊娠中に子癇前症と診断された母親を持つ、米国California州北部の2~3歳の子ども1000人以上が参加。研究チームは、正常発育の子どものデータと、自閉症スペクトラム障害(ASD)や他の発育遅延の子どものデータを比較。その結果、子癇前症とASDとの間に、重篤度とともに増大する顕著な関連性があることを発見。さらに、重度の子癇前症と発育遅延との間の顕著な関連性も観察されたそうです。米国では、子ども88人に1人の割合でASDの発症が確認されているそうです。この発達障害の明確な原因は明らかになっていないそうですが、遺伝子や環境、または両方の要因が指摘されているそうです。自閉症は、社会的、感情的、対人関係的な各スキルに困難が生じる原因になり、既知の治療法は存在しないそうです。過去の一部研究には、子癇前症によって胎児から栄養素と酸素が奪われることが、自閉症との関連を生じさせていると示唆するものもあったそうです。子癇前症は、妊娠後期の高血圧症、尿タンパク濃度の上昇、重症の場合はけいれん発作などを引き起こすとされているようです。
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