酸化ストレス応答転写因子Nrf2の負の制御因子であるKeap1の新しい機能を発見し、がん細胞の運動を制御する新しい仕組みが発見されたそうです(財経新聞)。コータクチンは外部シグナル(増殖刺激)により細胞の辺縁部、特に細胞運動の際に形成される仮足部分に移行して、アクチン重合を促進することにより、がん細胞の運動を増進させるそうです。そこで研究では、コータクチンによる細胞の運動増進におけるKeap1の役割について検討し、増殖刺激に応答してKeap1はコータクチンとともに細胞辺縁部に移行すること、Keap1がないとコータクチンは辺縁部に移行できないことがわかったというもの。さらにKeap1を欠損させるとがん細胞および正常線維芽細胞の運動性が低下することが分かり、Keap1が細胞運動に重要な働きを持つことが明らかになったそうです。また、コータクチンのアセチル化は、Keap1との結合を阻害することにより、細胞辺縁部への移行を阻害することも確認。つまり、コータクチンの脱アセチル化を止め、アセチル化を増やすとがん細胞の動きが止まることがわかったことになるそうです。これらにより、コータクチン脱アセチル化酵素を標的とした新しいがん転移治療法の開発が期待できるそうです。
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