健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

ネコの脳でアルツハイマー病

2015-12-24 08:30:21 | 研究
ネコの脳にも、ヒトのアルツハイマー病と同じように、神経原線維変化が生じることが明らかになったそうです(財経新聞)。アルツハイマー病は高齢者に認知症を起こす疾患で、治療法がないため世界的な高齢化にともなって患者数が急増しています。アルツハイマー病は、脳でβアミロイドと高リン酸化タウと呼ばれる蛋白質が蓄積し、海馬の神経細胞が脱落することによって発症すると考えられています。ヒト以外の多くの哺乳類の脳でも加齢性にβアミロイドの沈着が観察されるそうですが、高リン酸化タウの蓄積と海馬の神経細胞脱落は動物ではみつかっていなかったそうです。今回の研究では、ペットとして飼育されていたネコの死亡後、脳を詳しく調べたところ、8歳頃から脳にβアミロイドが沈着し、14歳頃から高リン酸化タウが蓄積することが分かったそうです。高リン酸化タウが蓄積した神経細胞では、神経原線維変化と呼ばれるアルツハイマー病に特有の病変が確認されたそうです。また、神経原線維変化を構成するタウ蛋白質のアイソフォームがヒトのアルツハイマー病と同じであること、神経原線維変化が形成されたネコでは海馬の神経細胞が減少していることが明らかになったということです。
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